寝ているはずなのに、朝起きると体が重い。目は覚めているのに、なかなか動き出せない――。

そんな“朝のつらさ”を感じ始めるのが、大人世代に差しかかる頃。「眠れていないのかも」「不眠症では?」と不安になる人も少なくありませんが、実はその背景にあるのは、睡眠そのものより体の代謝リズムの変化であるケースも多いのです。年齢を重ねるにつれ、体は少しずつエネルギーの使い方を変えていき、その変化が朝の目覚めに影響を与えている可能性があります。

大人世代は“朝にエンジンがかかりにくくなる”

若い頃は、起きた瞬間から体温や血流がスッと上がり、自然と活動モードに切り替わっていました。ところが大人世代になると、基礎代謝の低下や筋肉量の減少により、体を動かすためのエネルギーが立ち上がりにくくなります。

その結果、睡眠時間は足りているのに、朝だけ体が重く感じたり、しばらく布団から出られなかったりする状態に。これは「眠れていない」のではなく、代謝の切り替えに時間がかかっているサインともいえます。

「寝不足感」が続くのは代謝リズムの乱れかも

代謝のリズムが乱れると、夜の回復と朝の始動のバランスが崩れやすくなります。特に冷えやすい人、日中の活動量が少ない人は、体温が十分に上がらないまま一日を終え、翌朝もスッキリしない状態が続きがちです。

「よく眠った感覚がない」「寝ても疲れが残る」と感じる場合、睡眠時間を増やすよりも、体の巡りや動きやすさに目を向けることが大切です。

朝をラクにする鍵は“目覚め前後の体の準備”

朝のつらさを軽くするには、起きた直後に無理に動こうとするより、体を少しずつ目覚めさせる意識を持つことがポイント。カーテンを開けて光を取り入れる、布団の中で足首や手首を動かすなど、代謝のスイッチをやさしく入れる習慣が役立ちます。

朝が重いのは、怠けでも不調でもなく、体が次のステージへ移行している証拠。大人世代ならではの変化を理解し、体のリズムに寄り添うことで、目覚めは少しずつラクになっていきます。

<取材・文:beauty news tokyo編集部 監修:中村チエ(薬剤師)>

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