日本橋兜町に2025年10月にオープンした【キャプション by Hyatt 兜町 東京】。日本でのキャプションブランドのホテルは大阪に次いで2軒目。
|金融街に生まれた個性豊かなホテル
明治6年(1873年)、兜町には日本初の商業銀行「第一国立銀行」が設立。明治11年(1878年)には東京株式取引所が発足するなど、日本の金融の中心地として発展しました。21世紀になると株券の電子化やインターネットの発達で街の活気が失われた時期もありますが、近ごろはレトロな石造りの建物を利用したカフェやレストラン、ホテルや醸造所など、土地の歴史を受け継ぎながら、若者が集まる新しい街に変貌する注目のエリアです。
▲意外なところに日本の伝統が活きている
ホテルは鉄骨造と組み合わせた木造ハイブリッド構造。外壁に張り込まれた焼杉は、耐久性と耐火性に優れているため江戸時代から家屋の外装に使われ、木目に日本の建築美が感じられるサステナブルな建物です。さらに劇場や映画館などに見られるビルボード風のひさしに、アメリカ発のホテルらしいデザインが添えられます。
▲エントランスから感じる楽しさの予感
玄関前にはそれぞれ文字が彫り込まれた丸いタイルが埋め込まれ、入口を通ってフロントまで「キ・ャ・プ・シ・ョ・ン」と続いていたり、館内の看板も60’sのノスタルジックな雰囲気を思わせるデザイン。フロントではとてもフレンドリーなスタッフがチェックインを行います。歯ブラシなどのアメニティもこちらに用意。1階と2階のエレベーターホールには今と昔の兜町が壁一面に描かれていて、フォトスポットにもなっています。
▲「Talk Shop(トークショップ)」はお洒落な空間
ホテルは “宿泊ゲストと地域の人が自然に交わる場でありたい” という想いから、従来型のロビーは設けず、飲食とくつろぎの機能が緩やかに重なり合うソーシャルスペース「Talk Shop(トークショップ)」が広がっています。ミッドセンチュリースタイルの、色合いを抑えたバターミルクペイントカラーの椅子が置かれ、Talk Shopの一角にあるパブリックエリア「ギャザリングスペース」は、日本に拠点を置くアーティスト、エイドリアン・ホーガン氏によって、近くにある坂本町公園の春が描かれています。
|ホテルステイを愉しむためのフリーラウンジ
2階には「共有ミーティングスペース(Communal Meeting Space)」のほか、最新機材をそろえたトレーニングジムもあり、宿泊者は滞在中自由に使えます。ラウンジには電源があるのでデスクワークができるほか、テイクアウトした食事を楽しむこともできます。
▲宿泊者のための専用ラウンジ
一面が窓、一面にアートが描かれたラウンジには、オリジナルデザインのソファや椅子を配置。様々な色や形の椅子は寛いだり、ドリンクやフードを楽しんだりと、使い方に合わせた形で、座り心地を全て確かめてみたくなる誘惑にかられます。
▲アートユニットMOTAS.の作品
時代と共に変化していく兜町の街と人々の “PEACE” が詰まったアートです。証券取引場や兜神社の裏にある首都高速道路の橋脚、東京証券会館の屋上にあるファームガーデン「カヤバエン(Edible KAYABAEN)」のテントに集う人々、平和の象徴の白い鳩などが描かれています。
|客室階に描かれた兜町の今
1、2階のポップなパブリックスペースとは異なり、客室階のエレベーターホールや廊下は白と黒のシンプルな色使い。
▲エレベーターホールのフロアサイン
客室階でエレベーターを降りると、巨大なフロアナンバーと共に兜町やその周辺の町の様子、人々の営みを描いたアートに出会えます。作品は2タイプあり奇数階は兜町や茅場町の街並みやお祭りの風景。偶数階は歴史的な建物やグルメ、ラーメンや日本橋川を進むカヤックなど街の様子が描かれています。
▲客室のルームナンバー
ルームナンバーの書体は滑らかな曲線を描く筆記体のRoomに、60年代を思わせるゴシック風のカチッとした数字を組み合わせたデザインです。
|最も広いスイートキング
モノトーンの廊下から客室に入ると、再び色彩が戻ります。部屋はスイートやデラックス、ハイフロア、スタンダードの4タイプ195室。室内はコンパクトながら天井が高く、窓も広くとられている開放的な空間です。全部で4種類のアートが各部屋に施されているので、毎回同じ部屋タイプに泊っても違うアートに出会えることもあります。
▲「スイートキング」のリビングエリア
リビングとベッドルームからなる54平米の一番広い客室です。他の客室とは違い、ミニキッチンや電子レンジ、大型冷蔵庫、洗濯乾燥機などが設置され、連泊や長期滞在でも便利なアパートメントタイプです。
▲テーマは “巣”。スイートだけのアートワーク
ソファー背後の壁には稲藁とアルミを組み合わせたアートが架かります。兜町には金融世界を動かした歴史的建造物の間にカフェやギャラリー、醸造所など、新旧の小さな商いが芽吹き、小鳥が小枝などの断片を集めて “巣” を作るように人々が集います。歴史と現在、自然と都市が交差して、新たな創造を生み出す兜町を表現しています。
▲ベッドルーム
ベッド側の壁には客室ごとに兜町を象徴する4種類のアートが描かれています。今回撮影したスイートの寝室は、アナログからデジタルへと変化する街を表現。手サインをする人々やソロバンの駒、デジタルのグリットやタブレットなど、過去から現在の株取引の変化を表現。また部屋のハンガーラックにはジャケットのイラスト、枕元にはマーシャルのスピーカーが置かれています。
|人気の「ツインルーム」
8階までの客室は天井に木材が使われていて、寝っ転がると木の温もりを感じられる空間です。
▲28平米「ツイン」
この部屋のウォールアートは兜町のコミュニティを表現。祭りの神輿や坂本町公園の盆踊り、催事や行事に欠かせないお酒のボトルなど、人と街の賑わいが描かれています。
▲ソファーやテーブルもあってくつろいだ滞在に
オリジナルデザインの椅子やソファもミッドセンチュリーのエッセンスを採り入れたデザイン。窓辺からは都会の風景が見渡せます。江戸の物流を支えた日本橋川の渡しや、日本の経済を支えた営業マンなど、街のストーリーが読み取れるイラストも楽しめます。お茶のティーバッグは日本橋の老舗「山本山」の煎茶と玄米茶です。
|滞在が楽しくなる品々の妙
キャプション by Hyatt 兜町 東京に泊まる楽しさのひとつが、デザインされた客室の備品たち。
▲備品も楽しいデザイン
カードキーや水を入れるピッチャーには、サングラスをした人物のイラストが描かれています。こうしたイラストが様々な場所に登場するので、発見するたびに嬉しい気分に。パジャマも可愛らしいストライプデザインで、滞在を楽しむアクセントになりました。
▲気分がほっとする洗面のイラスト
ウェットエリアもイラストの宝庫。かっては株の売買で活躍した手サインや、商売には欠かせない縁起物の張り子の犬。古い井戸や抹茶を点てる様子など、日本の今昔が描かれていました。
▲バスルーム
カラフルな洗面台は端材を利用したサステナブル素材で、大きなライティングミラーを備えます。水回りは全室シャワーブースですが、スイートルームには他の客室にはないレインシャワーを備えます。
|和紙でノートを作るワークショップを開催
毎週火曜日と土曜日は宿泊者限定で無料のワークショップを開催しています。文化3年(1806年)に日本橋で開業した和紙舗「榛原(はいばら)」の千代紙を使い、オリジナルノートを作ります。宿泊者以外でも参加できるワークショップを月に1回程度開催しています。
▲千代紙で作る糸綴じノート
江戸のメディア王・蔦屋重三郎を描いた大河ドラマ『べらぼう』にも本作りの場面が登場しましたが、日本の伝統製本技術「和綴じ」体験を行えます。まず数種類の「はいばら千代紙」から好きなものを選びます。それぞれの柄の意味も紹介されているので、和柄の奥深い意味まで知る機会になりました。
▲竹へらを使って紙をキレイに折り曲げます
糸で綴じて表紙を折り曲げ15分ほどで完成。和紙特有の手触りや質感など、伝統の品を通じて江戸の気風に触れられます。自宅の片隅に彩りを添える想い出のお土産になりました。
日本の近代化とともに発展した金融の街、兜町。日本橋にも歩いて行ける好立地で、近ごろはお洒落なカフェやレストランが点在するハイセンスなエリアです。
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