RoomClipユーザーの素敵なキッチンを紹介する「憧れのキッチン」連載。
今回は、【古い昭和の家暮らし】としてご自身の家と暮らしづくりのこだわりを発信されているharuさんに、キッチンづくりのこだわりや工夫を教えていただきました。
夫が幼少から育った、築48年の暗くて古い家を快適にするために、まずは自分たちでやってみる精神でDIYしていたら、すっかり趣味になってしまいました。愛すべき終の住処。古いもの全般が大好物です。探求心強め。
日々の台所仕事が楽しくなる場所
haruさん宅のキッチンは、懐かしくて美しい、心が落ち着く空間です。何事も丁寧にしたくなるような、大切にものを扱いたくなるような、そんな気持ちに心を正してくれそう。とても素敵な雰囲気はどのようにしてつくられているのか……まずは気になるその辺りのお話しからお伺いしました。
haruさん「古くて狭い台所を心地よい空間に保つため、気に入った台所道具をそろえています。埃がかぶることに抵抗がある調味料や道具は見せない収納、よく使うものは自作のオープン棚へというのが基本スタイル。道具は日常的に活用するから掃除もしやすく、定位置が決まっているため一日の終わりにすっきりリセットできます。照明にこだわったり、小さなグリーンで癒しを添えたりして、日々の台所仕事が楽しくなるような場所を目指しています。」
■壁付けI型の窓がある台所

haruさん宅のキッチンは、壁付けI型です。昭和の台所でよく見かけた、ダイニングテーブルを傍に置けるような形。でもそうはせず、カウンターでリビングとの境界をつくって、心地の良い動線や収納スペースを確保されています。リビングとの間には視界を遮るものがないから、オープンで一体感があるのも特徴。
ここからは素敵な眺めにもっと近づいていきながら、収納の工夫や道具選びのこだわり、haruさん宅にしかない魅力の秘訣について詳しく迫ります。古道具が好きな方、日々の面影を活かしながら雑多にならないインテリアを楽しみたい方、特に必見です。
■キーワード1 DIYで蘇るカウンターと効率重視の収納棚


「収納に関しては、可動棚の棚数をあえて増やさず、家族全員が届く高さでゆとりを持たせています。キッチン横につけたワークスペースとなるカウンターは以前テレビ台だったもの。実は解体しようと思っていたのですが、あまりにもここに馴染んだので再加工して使うことにしました。場所が変わったことで息を吹き返したDIYのひとつです。」
■キーワード2 いいもの、長く使えるものにこだわる道具選び


「道具選びは、何年も悩むことがあるほどこだわっています。鉄のフライパンや銅の玉子焼き器あたりは、まさに愛用品。お手入れが大変そうなイメージがあるかもしれませんが、洗剤を使わない洗い方をするので環境にも人にも優しいんです。吊るし収納が湿気もこもらず最適だと感じています。」
■キーワード3 唯一無二の味わいをくれる、我が家の古道具たち


「拭きあげたうつわを一時置きしたり、枝物を飾ったりしているのは祖母から受け継いだ水屋。食器棚への動線もバッチリで、カウンターとして部屋を仕切ってくれるから全体にメリハリもつきます。もう、なくてはならない存在です。ちなみに私自身で大きな家具を買ったことはありません。食器棚も、嫁ぐ前から本棚としてこの家にあったものです。」
キッチンをもっと素敵にするためのアドバイスがあれば教えてください

「家庭をもち、新築家屋に憧れがあった頃は好きになれなかった台所。少しずつ模索して、今では大好きな場所になりました。まずは色目をそろえると、かなり統一感が出るように思います。
まとめ: 愛用品を見つける幸せ、増える喜び

haruさん宅の台所が趣き深く、魅力的であるのは、大切なものと幸せな時間を過ごす場所だからなのかもしれません。だって、そんな時間は言わずもがな穏やかであること間違いないですから。そして素敵だなと感じたのは、長く愛用していくこだわり。もちろん、新しい愛用品となるものを探し見つけるのも喜びですが、今回気が付かされたのは、使い続けてきた何かを未来に繋いでいくアイデアと、それゆえに増す愛着は唯一無二という最高の個性を放つということでした。
DIY、リメイク、視点を変えた発想、手間暇をかけ楽しみながら、一期一会の道具との出会いを無碍(むげ)にしないharuさんの、古い昭和の家暮らしと台所づくり、ぜひ参考にしてみてください。
執筆:RoomClip mag 編集部