東京・清澄白河の東京都現代美術館が開館30周年を迎える2025年、「開館30周年記念展  日常のコレオ(MOT’s 30th Anniversary Exhibition Choreographies of the Everyday)」が8月23日から11月24日まで開催されています(※休館日あり)。

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会場入口/photo by ©FASHION HEADLINE
本展は、日常に潜む行動や所作を「コレオ=振付」と捉え直し、規範に抗いながらも新たな創造を生むアーティストたちの実践を紹介するものです。
展示には国内外で活動する幅広い世代の作家約30名/組が参加し、映像、インスタレーション、絵画、パフォーマンスなど多様な表現を通じて、私たちの「日常」を見つめ直す場をつくり出しています。

東京都現代美術館で「開館30周年記念展  日常のコレオ」開催。日常の所作を振付け直し、未来への視座を拓く
サム・メッツ「木を踏む」2025年/photo by ©FASHION HEADLINE
展示には、生活に根差した文化や社会的文脈に鋭く光を当てるアーティストが名を連ねます。たとえば、米を原料にした醸造や食文化を通じて地域の持続的な営みにアプローチするライス・ブリューイング・シスターズ・クラブは、食と循環を媒介にした作品を展開。ジョナタス・デ・アンドラーデは、映像を用いて共同体や労働の身体的リズムを映し出し、社会の中で生きる人々の声なき声をすくい上げます。

東京都現代美術館で「開館30周年記念展  日常のコレオ」開催。日常の所作を振付け直し、未来への視座を拓く
ライス・ブリューイング・シスターズ・クラブ「ウミ、手、海女たち」2025年/photo by ©FASHION HEADLINE
また、大和楓は、身体に刻まれた「型」を通じて個人と社会の関係性を問い直すインスタレーションを出展。抗議運動の姿勢やその反復をトレースする装置とドローイングを組み合わせることで、歴史的・政治的文脈に巻き込まれてきた身体のリアリティを浮かび上がらせ、現在進行形の出来事を観客に突きつけます。さらに、会期中には装置体験を通じたワークショップも予定されており、観る者の身体感覚に直接作用する仕掛けとなっています。

東京都現代美術館で「開館30周年記念展  日常のコレオ」開催。日常の所作を振付け直し、未来への視座を拓く
大和楓「仰向けで背負う」2025年/photo by ©FASHION HEADLINE
展示空間を歩くと、個人の生活の中に潜む小さな動作や習慣が、改めて「振付け」として立ち上がり、鑑賞者自身の身体感覚や記憶と響き合います。単なる過去30年の振り返りではなく、「次の30年に何を提示できるか」という、未来への眼差しを強く意識させる構成です。

「開館30周年記念展 日常のコレオ」は、現代を生きる私たち一人ひとりの日常を映す鏡であると同時に、未来を思考するための実験の場でもあります。

東京都現代美術館で「開館30周年記念展  日常のコレオ」開催。日常の所作を振付け直し、未来への視座を拓く
外観/photo by ©FASHION HEADLINE

【基本情報】
会期:2025年8月23日(土)~11月24日(月・振休)
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
                  *8・9月の毎金曜日は21:00まで開館
休館日:月曜日(9月15日、10月13日、11月3日、11月24日は開館)、9月16日、10月14日、11月4日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F、ホワイエ ほか
観覧料:一般2,100円(1,680円)/大学生・専門学校生・65 歳以上1,100円(880円)/中高生500円(400円)/小学生以下無料
              お得なツインチケット 3,500円(一般2枚)*チケットカウンターでのみ販売

【参加アーティスト】
青山悟、バクダパン・フード・スタディ・グループ、CAMP、ヒーメン・チョン、ジョナタス・デ・アンドラーデ、ブレンダ・ファハルド、FAMEME、シルパ・グプタ、檜皮一彦、出光真子、今宿未悠、ジュリア・サリセティアティ& アリ・"ジムゲッド"・センディ、黑田菜月、アン・ミー・レー、サム・メッツ、シュビギ・ラオ、リ、ライス・ブリューイング・シスターズ・クラブ、ピナリー・サンピタック、佐々木健、新海覚雄、ソー・ソウエン、髙橋莉子、髙橋凜、トランスフィールドスタジオ、上原沙也加、植村真、カレル・ファン・ラーレ、山田響己、大和楓 ほか

お問い合わせ:
東京都現代美術館
東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
TEL:03-5245-4111(代表)
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