Courtesy of Diptyque
オスマン建築のラインと日本の木の質感──「パリと東京のあいだ」にある空間
空間デザインのインスピレーションとなったのは、Diptyqueの本店がある パリ・サンジェルマン大通りのオスマン様式建築。そのクラシカルな直線構成をベースにしながら、銀座三越では日本的な質感——木の柔らかなマットなトーンを掛け合わせ、パリのエスプリと東京の端正さが静かに響き合う空間に仕上げられています。
ガラス、木材、金属の境界はあえて曖昧に設計され、香りが空間に“滲む”ように広がる感覚を演出。照明は香りの粒子を可視化するような淡い陰影で、訪れる人の視覚と嗅覚の回路を同時に開きます。
17㎡の中に、香りの「旅」を組み込む
店内では L’art du soin(ボディ&ハンドケア) やキャンドル、香りのアクセサリー、ルームフレグランス、フレグランスギフティングシリーズなど、Diptyqueの核となるアイテムがラインアップされます。ただし、一般的な“ディスプレイ”とは異なり、商品は一点の彫刻のように配置され、香りを選ぶ行為が “棚を見る”ではなく “風景をめぐる” 体験へと変換されています。
佐々木類によるインスタレーション──「香りを映す光の器」
新店舗のオープンを記念し、アーティスト 佐々木類が手がける特別なインスタレーションが展示されます。ガラス素材で構成されたハーバリウムのようなオブジェは、Diptyqueが古くから大切にしてきた 「香りを詩として扱う」 という精神を空間的に翻訳したもの。光を受けたガラスの奥に浮遊する色の粒子は、まるで記憶の断片が香りに呼び起こされる瞬間のようで、見る人の心象風景を静かに揺らします。
銀座という街に生まれた、“香りの余白”
銀座三越という格式ある百貨店の1階にありながら、このブティックはブランドの存在を声高に主張しません。むしろ、小さな佇まいの中で静かに香りを放ち、足を止めた人の感覚だけを頼りに世界へ誘うような、余白のある空間設計が印象的です。
Diptyqueは、香りを「装うもの」ではなく「思考を開くもの」として提案し続けてきました。この銀座のブティックもまた、香りという目に見えないものに触れるための“静かな装置”として存在しています。
DIPTYQUE 銀座三越
※2025年10月29日(水)オープン
場所:銀座三越 本館1F フレグランス
東京都中央区銀座4-6-16
電話番号:03-6271-0575
営業時間:10:00-20:00(*銀座三越の営業時間に準ずる)
お問い合わせ:
Diptyque Japan
T. 03-6450-5735
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