1916年の創業以来、宮崎県都城市の焼酎文化を守り続けてきた霧島酒造が、2026年初頭に新たな施設を発表しました。建築は著名な建築家 隈研吾 が担当し、地域の自然・文化・素材を丁寧に掬い取った設計が特徴です。
スターバックスとのコラボレーションによって生まれたこの施設「KIRISHIMA GREENSHIP icoia」は、植物園「めぐりの森」、屋上庭園「見晴らしの丘」、芝生エリア「いこいの庭」など複数のゾーンで構成され、訪れる人々が「ふと立ち寄り、くつろげる場」として設計されています。

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Courtesy of KIRISHIMA SHUZO

名称とロゴに込めた想い
「KIRISHIMA GREENSHIP icoia」という名称には、さつまいもを原料とするバイオガス発電を受けて“未来に向けて進む船(SHIP)”というイメージが込められています。また、語尾に付けられた「ia」には、アジア/ユーラシアといった「場」の響きをもたせ、地域の中心になりたいという願いが込められています。ロゴマークは都城盆地の夕日・若葉・霧島裂罅水の4要素をアースカラーで表現し、さつまいも・人・未来への帆を象った意匠で構成されています。

地域の風土とコーヒー文化が融合する場──霧島酒造×スターバックスが「KIRISHIMA GREENSHIP icoia」を2026年1月27日開業
Courtesy of KIRISHIMA SHUZO

併設店舗とライフスタイル提案
施設内には、霧島酒造の直営店舗「KIRISHIMA LIFE STORE ipomea」も併設されます。焼酎やクラフトビールといった酒類に加え、酒器、雑貨、地域の食品を取り揃え、暮らしを豊かにするアイテムを提案。店舗内装には自然木やシラス壁、テーブルには琉球石灰岩を用い、テクスチャーと素材の物語性を演出しています。

地域の風土とコーヒー文化が融合する場──霧島酒造×スターバックスが「KIRISHIMA GREENSHIP icoia」を2026年1月27日開業
Courtesy of KIRISHIMA SHUZO

地域と環境、未来をつなぐインフラとして
施設は敷地面積約4,686㎡、延床面積712㎡に及び、スターバックス店舗(ともに約73席)や芝生エリア・植物園を備え、駐車場も35台分を用意。営業時間はスターバックス店舗・芝生エリアが7:30~22:00、植物園・屋上庭園が9:00~19:00、直営店舗が10:00~19:00です。また、施設全体が「さつまいも発電100%」を掲げ、焼酎粕や芋くずから生成したバイオガスを電力化する再生可能エネルギー事業をインフラに据えることで、“自然とともにある居場所”としての基盤を整えています。

地域の風土とコーヒー文化が融合する場──霧島酒造×スターバックスが「KIRISHIMA GREENSHIP icoia」を2026年1月27日開業
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地域発のラグジュアリーとしての可能性
このプロジェクトは、ただの複合施設開設ではありません。焼酎文化とコーヒーカルチャーという異なる文脈が都城という場所で交錯し、新しい暮らし方の提案として機能しようとしています。
自然素材のマテリアル、建築美、コミュニティへの参与が三位一体となり、“訪れることで価値が生まれる”場が立ち上がるといえるでしょう。

霧島酒造が紡いできた地域の風土、スターバックスがもたらすコーヒー文化。それぞれ異なる背景をもつ二者が、都城という土地でひとつの「いこいの場」を創り出そうとしています。KIRISHIMA GREENSHIP icoiaは、環境・素材・暮らしをつなぐ“新しい船出”のような存在。訪れる人々が“自分らしく過ごせる”時間を、心から体感できる場所となるでしょう。

【施設概要】
住所:宮崎県都城市下川東4丁目5869番8
建物構造:鉄筋コンクリート造 一部 鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造 1階建て
敷地面積:4,686㎡
延べ床面積:712㎡
営業時間:
・[スターバックス店舗・芝生エリア]  7:30~22:00
・[植物園・屋上庭園]  9:00~19:00
・[直営店舗KIRISHIMA LIFE STORE ipomea]  10:00~19:00
客席数:73席(施設屋内:57席、テラス:16席)
駐車場:35台(うち軽専用1台)
定休日:不定休
オープン日:2026年1月27日(火) 
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