photo by ©FASHION HEADLINE
伊勢丹新宿店は、そんなOBENTO文化の奥行きを一度に体験できる、東京でも指折りの場所です。老舗の伝統を受け継ぐ名店から、現代的な感性のブランドまでが一堂に揃い、しかも徒歩圏内には、新宿御苑という広大な緑の庭園が広がっています。お弁当を携えて芝生に腰掛け、春には桜を、初夏には新緑を、秋には紅葉を眺めながら味わう —— 日本人にとっては懐かしく、外国人にとっては新鮮な、風景と食事が溶け合うひとときが生まれます。
FASHION HEADLINEでは、伊勢丹新宿店で出会える5つの個性豊かな弁当に注目、その魅力を紐解きました。
神田志乃田寿司「さっぱり3色巻き」
江戸前の技を受け継ぐ寿司店が手がけるこの三色巻きは、彩りの美しさと素材の軽やかさが印象的です。昆布締めの技や、具材の切りつけの美しさが一口ごとに感じられ、朝の散歩のお供にも、穏やかな公園でのランチにも馴染む、上品で親しみやすい一折です。
亀戸升本「のり弁」
“のり弁(noriben)”は日本の弁当文化を語るうえで欠かせない存在ですが、亀戸升本の海苔弁はその代表格といえる仕上がりです。香り高い海苔とふっくら炊き上げた白飯、そこへ出汁の旨味がじんわり染み込んだおかずが寄り添い、シンプルでありながら奥行きのある味わいを生み出します。日本の家庭的な温かさを凝縮した一箱です。
弁松総本店「並六 白飯弁当」
江戸・東京の老舗として長く愛されてきた弁松総本店の「並六 白飯弁当」は、まさに“和食の原点”を感じさせる王道の組み合わせです。
崎陽軒「シウマイ弁当」
横浜生まれのシウマイを主役に据えた、誰もが一度は耳にしたことのあるロングセラー。冷めても風味を保つシウマイ、ほどよい甘さの玉子焼き、ほっとする筍煮や蒲鉾が絶妙なバランスで収められています。旅の定番である駅弁(ekiben)の楽しさを最も象徴する一品であり、新宿で手軽に出会えるのも嬉しいポイントです。
有職「京風彩ばら寿司」
繊細な味わいと上品な美しさを追求する「有職」のばら寿司は、まるで小さな宝石箱のよう。色とりどりの具材が丁寧に散りばめられ、ふんわりとした酢飯と重なり合うことで、ひとくちごとに異なる表情を見せてくれます。京都らしい節度と華やかさが共存し、外国人にとっても“これぞ日本食”と感じられる一品です。
外国人におすすめしたい「OBENTO」の楽しみ方
伊勢丹で選んだ一箱を、そのまま新宿の街へ連れ出してみてください。新宿御苑の広い芝生に腰を下ろし、風にそよぐ木々や季節の花々を眺めながら味わう弁当は、何よりも贅沢な体験です。外で食べるという日本的な習慣は、料理そのものだけでなく、景色や空気まで味わいの一部にしてしまう独特の楽しみ方。ホテルの静かな部屋で、丁寧に盛りつけ直してゆっくり味わうのも、またひとつの正解です。
旅の記憶を包む、ひと箱の物語
お弁当を開くときのあのわずかな高揚感は、きっと誰の心にも共通するもの。目に映る色、鼻をくすぐる香り、ひと口ごとに広がる繊細な味わい。日本のOBENTOは、食べ物以上の意味を持ち、その国の風土と精神を「持ち運べる」形で体験させてくれる存在です。
伊勢丹新宿店で選んだ5つの名店弁当は、それぞれが歴史と個性をまとった、まさに小さな文化の結晶。新宿御苑で風に吹かれながら、あるいはホテルの静かな部屋でゆっくりと向き合えば、ひと箱の中に込められた日本の美意識がそっと立ち上がってきます。
その一瞬の豊かさこそが、旅の記憶をやさしく照らす“OBENTOの魔法”なのです。
[取材協力]
伊勢丹新宿店
Tel: 03-3352-1111
https://www.mistore.jp/store/shinjuku.html
※取材、撮影は2026年11月です。季節や時期、天候等の諸事情でお料理の内容が変わります。









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