ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)は、2026年秋冬ウィメンズコレクションを発表しました。ニコラ・ジェスキエールが今季掲げたテーマは「スーパーネイチャー」。
自然界の構造や環境との関係性を起点に、21世紀の衣服のあり方を再考するコレクションです。

自然が導く新しいフォークロア──ルイ・ヴィトン 2026年秋...の画像はこちら >>
©LOUIS VUITTON

山々、森、平原といった風景の中で、人は環境に適応するために衣服を進化させてきました。風や雨、太陽といった自然の要素に応答するかたちで生まれる衣服の構造は、やがてファッションとしての造形へと昇華されます。ジェスキエールは、そうした自然との関係性から現代の衣服のアーキテクチャーを導き出しました。

自然が導く新しいフォークロア──ルイ・ヴィトン 2026年秋冬ウィメンズコレクション
©LOUIS VUITTON

今季のコレクションでは、「トラバースとトランスバース(越境と横断)」という概念も提示されています。異なる場所や視点を横断することで、新しい時代のフォークロアを再構築する試みです。衣服のフォルムやディテールには、自然環境に根ざした暮らしや伝統衣装の記憶が重ねられ、どこか原始的でありながら未来的な表情を見せます。

自然が導く新しいフォークロア──ルイ・ヴィトン 2026年秋冬ウィメンズコレクション
©LOUIS VUITTON

動植物の痕跡は、さまざまなかたちで衣服に取り込まれています。再解釈されたアニマルパターンはキャンバスやデニムに織り込まれ、レザーでかたどられた造花は装飾としてだけでなく、身体を守るプロテクションとしても機能します。異なる素材や文化を重ね合わせるコラージュの発想は、まるで身体の地形図を描くかのように、服を旅する構造へと導きます。

自然が導く新しいフォークロア──ルイ・ヴィトン 2026年秋冬ウィメンズコレクション
©LOUIS VUITTON

コレクションを支えるのは、メゾンのサヴォアフェール(匠の技)と新しいテクノロジーを融合させた「ハイパークラフト」という考え方です。3Dプリントや樹脂によるパーツは鉱物のようなボタンや鹿の角を思わせるヒールとして姿を現し、植物由来のファーは新たな質感を生み出します。
自然を模倣するのではなく、人間の創意工夫によって自然を昇華する試みが展開されています。

自然が導く新しいフォークロア──ルイ・ヴィトン 2026年秋冬ウィメンズコレクション
©LOUIS VUITTON

メゾンのルーツである旅の精神も随所に表れています。1932年に誕生した「ノエ」バッグは、当時のプロポーションやカラーを参照しながら再解釈され、旅を象徴する存在としてコレクションに登場しました。トランク職人としての専門性とレザーへの深い知見は、自由に移動する現代の遊牧的なライフスタイルを支えるデザインとして再び提示されています。

自然が導く新しいフォークロア──ルイ・ヴィトン 2026年秋冬ウィメンズコレクション
©LOUIS VUITTON

ショーの舞台となったのは、ルーヴル美術館のクール・カレ。映画『セヴェランス』などで知られるプロダクションデザイナーのジェレミー・ヒンドルが手がけた空間には、自然の風景を抽象化したランドスケープが構築されました。外と内が溶け合う舞台の中でモデルたちは旅を続け、揺らぎ続ける牧歌的な風景は、現代の寓話のような物語を描き出します。

自然が導く新しいフォークロア──ルイ・ヴィトン 2026年秋冬ウィメンズコレクション
©LOUIS VUITTON

自然とテクノロジー、フォークロアと未来。
ルイ・ヴィトンの2026年秋冬コレクションは、その対話のなかから、新しい時代の衣服の風景を提示しました。
編集部おすすめ