渋谷区と公益社団法人日本ダンススポーツ連盟は、ダンススポーツの普及・振興に加え、地域コミュニティーの活性化と多様性社会の推進を目指す連携協定を締結した。この協定は、ダンススポーツ競技の普及、地域イベントでの協力、学校部活動の地域展開支援などを連携して推進することを目的としている。

この締結式が2025年6月19日(木)に渋谷区役所で行われ、長谷部健区長、日本ダンススポーツ連盟の布村幸彦会長、渡辺マーロック理事、渋谷未来デザインの長田新子理事事務局長らが出席した。また、日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部長のKATSU ONE氏も来場し期待のコメントを述べた。

日本ダンススポーツ連盟 代表理事・会長 布村幸彦氏

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布村幸彦氏

日本ダンススポーツ連盟の布村幸彦会長は、地方自治体としては初めて渋谷区と連携協定を結べたことに深い感謝を述べた。同連盟は社交ダンスやブレイクダンスのアマチュア競技団体であり、特にブレイクダンスは代々木第二体育館をはじめ渋谷が「聖地」として長年応援されてきたと強調。

「東京体育館や代々木体育館で競技会を開催しており、協定を通じて渋谷区民がより身近にダンススポーツを楽しめる機会が増えること、そしてスポーツの力で渋谷の街づくりに貢献できることを期待しています。お互いにウィンウィンの関係を築き、ダンススポーツ競技の振興と渋谷の発展に尽力したいです。」と語った。

日本ダンススポーツ連盟・渡辺マーロック氏

渋谷区と日本ダンススポーツ連盟が連携協定を締結!ダンススポーツを通じた地域の活性化と多様性社会の推進へ
渡辺マーロック氏

日本ダンススポーツ連盟の渡辺マーロック理事は、協定締結の背景に三つの根拠を挙げた。一つ目は、1970年代後半に代々木公園から日本のヒップホップカルチャーが始まり、ストリートダンスが定着した渋谷との深い関わり。

二つ目は、スポーツ庁が提唱するマルチスポーツ環境の実現に協力し、ブレイクダンス、ダブルダッチ、スケートボード、フリースタイルフットボールの「渋谷ユナイテッドストリートスポーツクラブ」を連盟としてサポートすること。

三つ目は、ダンススポーツが持つ多様性への対応で、社交ダンスにおける同性ペアの容認や、ブレイキンにおいて男女や健常者・障害者の区別なく共に競い合うカルチャーが、渋谷区の多様性推進の方針と親和性が高い点を述べた。

今後の取り組みとして、2026年3月の全日本ブレイキン選手権の渋谷区開催や、渋谷区ストリートスポーツクラブ部活動の地域移行への協力、探究授業を通じた多様性の学びの機会提供を挙げた。

渋谷未来デザイン 長田新子氏

渋谷区と日本ダンススポーツ連盟が連携協定を締結!ダンススポーツを通じた地域の活性化と多様性社会の推進へ
長田新子氏

渋谷未来デザイン理事事務局長の長田新子氏は、多様な人々が集まり、ダンスやヒップホップカルチャーが育まれてきた渋谷で協定を結ぶことの意義を強調した。

「協定締結だけでなく、それを具体的なアクションに落とし込み、街に根付かせることが渋谷未来デザインの役割です。自身が両団体に属することで実現できたことに喜びを感じています。今後は、渋谷から他の地域へ、そして国際的なネットワークへと活動を広げていきたいです。」とコメント。

子供たちがダンスを通じて成長し、競技だけでなく自己肯定感や多様性の学びにつなげたいと語る一方、社交ダンスを通じてシニア層も健康で楽しめる機会を提供したいとの考えも示し、具体的なアクションを通じて、街の魅力を高め人々や地域をつなぐ役割を果たすことに意欲を見せた。

渋谷区長 長谷部健氏

渋谷区と日本ダンススポーツ連盟が連携協定を締結!ダンススポーツを通じた地域の活性化と多様性社会の推進へ
長谷部健氏

長谷部健渋谷区長は、今回の協定締結に喜びを表し、ヒップホップが渋谷で生まれた歴史に触れながら、「ダンスのまち」としてさらなる発展に期待を寄せた。

特に、スポーツ離れが指摘される中学校の女子にとって、ダンスが新たなスポーツへのきっかけとなる可能性に言及。健康づくりや生涯スポーツの観点から、行政としてスポーツを大切にすることの重要性を語った。

渋谷区は運動場を増やすことが難しい現状を踏まえ、「15平方キロメートルの運動場」と見立て、街全体で多様なスポーツに取り組む姿勢を示した。ガラスがあれば踊れるようなダンスの特性を生かし、街づくりの中でダンスを推進することへの協力を求め、今後の取り組みへの応援を呼びかけた。

日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部長 KATSU ONE氏

渋谷区と日本ダンススポーツ連盟が連携協定を締結!ダンススポーツを通じた地域の活性化と多様性社会の推進へ
KATSU ONE氏

今回の締結式に来場した日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部長のKATSU ONEこと石川勝之氏は、ダンス、特にブレイクダンスが持つ「多様性」の重要性を心の底から感じていると語った。

「ヒップホップが生まれた時代背景には、現代の子供たちへの教育につながる要素が大きく含まれていると考えています。ダンスを通じ、ヒップホップカルチャーや若者文化、アーバンスポーツといったストリートカルチャーを行政と連携して推進できることに、個人的に大きな喜びと期待を感じています。良いことしかないですね。」と述べ、この連携がもたらすポジティブな影響に確信を示し、引き続き関係者への協力を呼びかけた。

最後に

渋谷区と日本ダンススポーツ連盟が連携協定を締結!ダンススポーツを通じた地域の活性化と多様性社会の推進へ
全体集合写真

この連携協定は、ダンススポーツの普及と振興に留まらず、渋谷区が持つヒップホップカルチャーの歴史的背景と多様性への意識を融合させることで、地域社会に新たな価値をもたらすものになるだろう。

日本ダンススポーツ連盟と渋谷区は、大規模競技会の開催や学校部活動の地域移行支援、さらにはダンスを通じた多様性の学びの機会提供を通じて、子供からシニアまで、あらゆる世代の人々がスポーツに親しみ、自分らしく輝ける社会を目指している。

今回の協定は、渋谷を「ダンスのまち」としてさらなる高みへ導き、スポーツと文化の力で活力のある多様なコミュニティーを形成する、未来に向けた大きな一歩となっただろう。

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