畑を持ち、サーフだけでなく農ライフも始めた三浦理志さん。それによって“食”への熱が高まり、ついには料理本まで出版してしまった。


究極の食のスタイル「自産自消」を目指す彼に、農ライフの魅力と続けるコツを教えてくれた。

海も畑も無邪気に楽しむ。失敗さえもポジティブに!

“自産自消”を目指す三浦理志さんに教わる、畑の魅力と続けるコ...の画像はこちら >>
ノーフ歴10年の三浦さんはメジャーな野菜はほぼ育てたことがあるという。畑は遊び場でもあるということで、思わずピザ窯まで作ってしまった。

今から約10年前に始まった三浦さんの農ライフ。しかし、現実は甘くなかった。畑を整えてから植えたきゅうり、なす、ピーマン、ミニトマトなどの夏野菜がまったくと言っていいほど育たなかったのだ。

「手をかけなかったのがいけないんですけどね。農業に興味のある人が増えてるみたいだけれど『畑をナメてはいけません!』って言いたい(笑)。『今日も行かなきゃいけないのか……』ってたまに億劫になるんですよ。

夏場は作物がよく育つし、雑草も生えるからまめに行かなきゃいけない。蚊と暑さとの戦いだし。

冬場は寒いしね。でも収穫できると楽しくなる。自分が育てた野菜ってかわいいんです。

で、食べておいしい。お裾分けして『ありがとう』と言われて。そういう喜びを知って、やりがいを持つようになりました」。

“自産自消”を目指す三浦理志さんに教わる、畑の魅力と続けるコツ
仲間と一緒に採れたて野菜を使って畑でバーベキューをすることもある。取材の日には「長ねぎとアンチョビのマルゲリータ」「ブロッコリー、じゃがいも、大根と魚介のアヒージョ」を振る舞ってくれた。

つらさもつきまとうからこそ、うまく野菜ができたときには喜びもひとしおだと話す三浦さん。

農業を趣味として楽しく続けるコツは、仲間と一緒にやることだとおすすめする。

“自産自消”を目指す三浦理志さんに教わる、畑の魅力と続けるコツ

「ひとりではくじけそうなときも、仲間がいれば続けられるんです。うちは奥さんも畑が好き。

夫婦共通の趣味があるのはいいなと。

でも喧嘩にもなります。『畑に行かなきゃいけないんだから、海なんか入ってる場合じゃないでしょ!』とか言われちゃったりね(笑)」。

サーフかノーフか、選ぶとしたら?

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サーフィンは三浦さんにとってかけがえのないライフワーク。「自分の感性はすべてサーフィンによって形成された」と話すほどだ。

サーフィンと農業どちらが楽しいかをたずねると「サーフィンのほうが全然楽しい! 比べものにならない」と即答したものの、畑には畑の楽しさがあるという。

「土からのエネルギーもすごい。ガキの頃、泥んこになったり砂場で遊んで楽しかったのと同じような感じです。砂できれいな山を作れたらうれしかったのが、今は畝がまっすぐできたらうれしい。

あとは虫とか生き物が好きだったから、バッタがいたりアマガエルがいたりするのを見るのも楽しいんです」。

“自産自消”を目指す三浦理志さんに教わる、畑の魅力と続けるコツ

三浦さんが畑に行くペースは、冬は週1回、春からは週2回ほど。家に畑がない以上、それくらいの緩さも続けるための秘訣だそう。



また野菜をうまく育てるために大切なポイントを次のように教えてくれた。

“自産自消”を目指す三浦理志さんに教わる、畑の魅力と続けるコツ

「種まきや苗植えは時季を外すとうまく育たなくなるから、そこだけは守らなくちゃいけない。それでもダメなときはダメ。

不思議なんだけれど、例えば自分の畑のなすがダメだったときは周りの畑もダメだったりするんです。逆に『今年はきゅうりが良かった』というときはだいたい周りも一緒。当たりはずれが年によって違います。

結局はサーフィンと同じように、自然の流れに身をまかせるしかない。そんなところも楽しんだほうがいいんじゃないかな」。

自産自消のおいしい生活。好きが高じて本まで上梓!
“自産自消”を目指す三浦理志さんに教わる、畑の魅力と続けるコツ
『SURF & NORF COOKBOOK by ミウラメシ』三浦理志=著 1800円/プレジデント社 刊

自分の手で野菜を作る、作った野菜を料理する、その料理をおいしくいただくという究極の食の楽しみを実践する三浦さん。想い溢れてついに料理の本を出版するにいたった。

「料理の純粋な楽しみって、自分が『食べたい!』と思ったものを作って味わえること」。

そう話す三浦さんが考案した自信を持っておすすめする51のレシピ、そして料理や「SURF&NORF」への想いが詰まった永久保存版の一冊。「SURF&NORF」を目指すなら、まずはこれを読むことから始めるのもあり。

photo by 熊野淳司、高橋賢勇、朴 玉順(CUBE) 
styling by 松平浩市
text・styling by 高橋 淳
text by 菅 明美、増山直樹

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