鴨居といえば徳川将軍家へ献上する「献上鯛」で有名。

そのマダイ漁の伝統を受け継ぐ船宿のひとつが鴨居大室港の「房丸」。



息子船長、正さんのアジ乗合に出かけてみた。

思いやりに溢れた家族経営の船宿

房丸がある三浦半島鴨居大室港は、かもめ団地というなんともかわいらしい名前の団地の脇にある。

朝、出船前にマダイ船の高橋房男船長と雑談していると、「この港は海側にあった小学校と深い関わりがあるんだ」と港の歴史が話題に上った。

港が小学校に関係している?

不思議に思って少し調べてみた。

かもめ団地は、鴨居白潟海岸の大規模な埋め立てにより昭和44年から建設された総戸数1689戸の大規模県営住宅。

入居が進むと、折からのベビーブームで、団地内の児童数は急増。

その受け皿として、横須賀市は団地の西南西に突き出すように造成した埋立地に小学校の建設を決定。

昭和48年、光洋小学校を創立した(平成22年、廃校)。

すると、小学校裏に明らかに風陰となる大きなワンド(入り江)ができた。

三方を陸に囲まれる好条件を漁師が見逃すわけがなく、護岸工事が施工され、鴨居大室港が開港。

房丸は、いち早く鴨居港から鴨居大室港へ船着き場を移動させた。

「今は岸壁に船を縦着けしているけど、当時はまだ船が少なかったから、岸壁に横着けしていたんだよ」と房男船長は50年前を振り返る。

50年前といえば、アジ船担当の高橋正船長がまだ小学生のころ。



昭和38年、房男船長と時枝さん夫妻の長男として生まれ、当地で育った正船長は、高校卒業後に家業を継いだ。

正船長は何食わぬ顔でその経歴を私に話してくれたが、「きっとほかに進みたい道があったはずなんだ」と房男船長。

代々漁師の家系に生まれた息子、正船長を思いやる様子が印象的だった。

春~秋、午前と午後のアジ船で釣り人を楽しませてくれる正船長は口数こそ少ないものの、物腰が柔らかい。

釣り人に優しいのはもちろん、家族への優しさもひとしおらしく、若おかみの早恵さんは正船長にベタ惚れの様子。

「無口だけど、本当に優しい人なのよ」と夫と3歳になった娘のみのりちゃんに目をやる。

房丸は、こんな風に思いやりに溢れた船宿。

連載再開にあたり私がいの一番に出かけた理由は、立派なアジだけではない。

時合到来であっという間にオケは一杯

取材前に房丸のホームページを見ていると、隅っこに「週刊せんチョー」というコラムを見つけた。

そのアイコンをクリックして、過去の記事をどんどんさかのぼって読みふけった。

「週刊せんチョー」を読んで、正船長のていねいで誠実な人となりを垣間見られたことは、なんだかうれしかった。

私が房丸を訪れたこの日は、これ以上ないナギと晴天の一日。

4人の釣り人と仲乗りの佐藤さんとともに出船。



まずは航程10分ほどの鴨居沖、水深38mからスタートした。

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主なポイントは鴨居沖の水深 40~50m前後。航程は5~20分ほどと至近。

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

ダイワ 21 シーボーグ 300J

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

フジワラ(FUJIWARA) テーパービシ 130号.

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

ささめ針(SASAME) P-304 道具屋 徳用夜光玉ハード 3

指示ダナは海底から3m。

しばらく粘ったものの、アジからの反応は今一つ。

ポイントを移動し、やや北上した水深50mで再開の合図が出た。

するとこの移動が功を奏したのか、はたまた潮時がよかったのか、アジがポツポツと釣れ出
した。

顔が小さく、背が盛り上がった鴨居のアジ。ここのアジのグラマラスな魚体にはいつも惚れ惚れする。

潮が緩むと2本バリ仕掛けにダブルで食ってくるような好模様となり、無我夢中で釣りに没頭する皆さんのオケがアジで満たされる。

この日釣れたアジは、どれも30cm前後の良型ばかり。マサバやゴマサバもほどよく交じり、楽しみだったひと時は、あっという間に過ぎてしまった。

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

このプロポーションが鴨居のアジの自慢

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

食いが立つと大アジが頻繁に一荷で食ってきた。

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

型のよさと食味の高さが釣り人を虜にする。

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

この日は35cm前後の腹太なアジがそろってトップ20尾。

房丸は遊漁船のほか海藻を扱う漁業も営んでいるから、冬~春の海草シーズンは猫の手も借りたい忙しさになるとか。

乾物にしたワカメ、コンブ、ヒジキは一年を通して船宿あるいはネット販売で手に入れることがで
きる(ツクツクという通販サイトで販売中)。

房丸ワカメの味噌汁をすすりながら鴨居のアジの塩焼きをつつく朝ごはんは、ただただ「幸せ」の一言に尽きる。

乗船の流れ

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

①駐車場に車を停める。道路を挟んだマンション側に2カ所ある。

②乗船名簿に記入する。

③受付で会計を済ませる。

④受付を済ませたら乗船札をもらう(首にかけておける)。

房丸の設備とサービス

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

(左上)ライフジャケットの貸し出し あり。必ず着用のこと。(右上)氷はストッカーから袋詰めのもの、または製氷機からバラ氷がもらえる(下船後に追加可)。

(左下)船宿前のテーブルでくつろげる。(右下)受付脇にマッチとティッシュのサービス。

日常を忘れてのんびりアジ釣り~三浦半島鴨居大室港・房丸の高橋正船長~

(左上)10 時になると船長からコーヒーのサービス。残り1時間半の合図でもある。(右上)房丸名物、乾物の数かず。店頭はもちろんネット(通販サイト「ツクツク」)でも購入できる。(左下)船後部に大小トイレ。(中央下)タモは多数用意されている。(右下)各釣り座に電動リール電源完備。

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隔週刊つり情報(2020年7月15日号)※無断複製・転載禁止

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