前回まで小型、中型の治具を使った仕掛けの収納法を取り上げたが、今回は本来の使い方である、深場釣り用の大型治具を使った仕掛けの収納手順を紹介しよう。
釣り物や釣り場によっては、20本前後のハリ数にもなる深場釣りの胴つき仕掛けを治具に収納する方法には、「綾掛け巻き」と「順巻き」の二つがある。
仕様にかかわらずきちんと巻き止められる「綾掛け巻き」 サルカンの位置がそろい巻き止めやすい「順巻き」
小型、中型の治具に、テンビン仕掛けやイカのブランコ仕掛けを収納する方法は、仕掛け巻きとしての治具の利点を生かしたものだが、本来の使い方は深場釣り用の仕掛け巻きであると同時に、ハリ数の多い仕掛けをスムーズに海底に送る投入器の役割も兼ねる。
深場釣りでは、ハリ数が少なければ船ベリにハリを並べて投入できるものの、10本以上となると治具を使って投入したほうがトラブルは少ない。
海がシケ気味の日には、とくに治具のありがたさが身に染みるものだ。
ハリ数の多い胴つき仕掛けを、収納するにも投入するにも治具は優れたアイテムで、これなくしては深場釣りが成り立たないと言っても大袈裟ではないだろう。
(左上)「綾掛け巻き」のポイント。ハリを掛け、枝スに幹糸を重ねる(工程②)(右上)幹糸を掛けた枝スを上のバーに掛ける(工程③)(左下)幹糸を下に引いて張る(工程④)(右下)「順巻き」はサルカンの位置がそろい巻きやすい
太い仕様では幹糸20号以上、枝ス16~18号を使い、ハリ数も20本前後の長い仕掛けになるため、治具は50㎝枠以上の大型を使う。
投入器としての役目も兼ねるので、治具に仕掛けを巻く場合、治具を持ってオモリを投入したときに、エサを付けたハリがトラブルなくパラパラと出ていくように巻いておくことが大切になる。
これには二つの方法がある。
仕様の異なる仕掛けでもきちんと巻き止められる「綾掛け巻き」と、巻き止めたときにサルカンの位置がそろって巻きやすい「順巻き」がある。
ここでは、深場釣りのエキスパートである本誌APCの椎名義徳さんが本誌で紹介した方法を取り上げた。
「綾掛け巻き」は小型、中型の治具に仕掛けを収納する方法を応用したものになる。
枝間や枝ス長が異なってもきちんと収納できるが、枝スを幹糸に掛けて張る手順をしっかりと覚えたい。
「順巻き」はサルカンの位置がそろっているため巻き止めやすいが、この仕様に作るには使用する治具のサイズに合わせて、幹糸の枝間、枝ス長をきちんとそろえて仕掛けを作る必要がある。
このとき必須となるのが、ラインの長さを合わせて結びやすい深海結びだ。
結びを締めるときに、つまんだ端の長さが余りとなるので、幹糸や枝スの長さをそろえやすい利点がある。
治具のサイズに合わせて長さをそろえた幹糸と枝スを必要数だけ先に作り、サルカンの結びはすべて深海結びで結ぶことで、「順巻き」ができる仕掛けになる。
また、「綾掛け巻き」も「順巻き」も枠にラインを巻くときには8の字状に巻くことがポイント。
こうすると、多少緩く巻かれていても枝スが前後に入れ替わることを防げる。
小型、中型、大型と治具は沖釣りの万能仕掛け巻きといえるほど便利なアイテムだ。
綾掛け巻きの手順



順巻きの手順




さあ、実践してみよう!

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隔週刊つり情報(2019年11月1日号)※無断複製・転載禁止