ポイントの一面にはフグやベラ、さらにはオセンまでもが無数に広がっていた。

気持ちのいいウキ入れはすべてエサ取り・・・。

まさに四面楚歌だったが、納竿まで30分を切ったとき、唯一無二のチャンスが訪れたのであった。

【プロフィール】南康史(みなみ・やすし)

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がまかつのG杯チヌで前人未到のV4を成し遂げたカリスマトーナメンター。

ウキ止めを付けないスルスル仕掛けを武器に、ホームグラウンドである岡山県と広島県などで腕を磨く。

がまかつのフィールドテスター。1969年生まれ。

瀬戸内海は壊滅状態。一か八か沼島で真っ向勝負

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釣行の写真

南さんがホームグラウンドにしている瀬戸内海は、チヌの釣況がよくなく、オーバーにいえば壊滅状態だった。

そんな理由から、チヌの聖地といわれる兵庫県南あわじ市の沼島をステージに選んだ。

グレ釣りと青物狙いのルアーマンばかりでチヌの状況は分からないという船長の話だったが、一か八かの賭けで取材を決行することに。

前シーズンに爆釣したという南さんの情報だけを頼りに、沼島の北側に位置する黒崎2番へ渡礁。

しかし、予報以上に北東の風が正面から吹き、非常に釣りづらい状況が続く。

仕掛けは、ウキ止めを付けず、ゼロウキに3ヒロのハリスを組み合わせたパイロット仕掛け。

オモリは、仕掛けのなじみをよくするためにハリスにジンタン7号を2つ段打ちに。

「水深が3ヒロぐらいなのでハリス分で釣るイメージですね。スルスル仕掛けではありますが、風が強いのでハリス以上のタナに仕掛けは入らないと思います」

潮は右沖に流れる、いかにも釣れそうな状況。

しかし、毎投のごとく当たってくるのはフグやベラ、オセンといったエサ取りばかり。

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釣行の写真

仕掛け投入後、ウキの1~2mほど手前に4投ほどマキエを入れ、エサ取りを寄せてから仕掛けがなじんだタイミングでマキエと合うよう策を取るが、あまりにもエサ取りが多すぎる状況にかわしきれない時間帯が続く。

「とんでもないエサ取りの数ですね」

あいにく、風も吹き続け南さんをさらに苦しめる。

このままだと危険だと判断し、午前11時に風裏になるワンドのセンゾウバエへ磯替わりすることに。

「ポイント一面に砂地が広がっていて、ところどころにシモリが入っていますが、シモリの周辺や手前の岩場を狙うとエサ取りが多そうなので、砂地を中心に様子を見ます」

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釣行の写真

カモフラージュ作戦を決行。砂地から本命を導きだす価値ある1尾に歓喜

「潮はふらふらとゆっくり右へいったり左へいったりする感じなので、砂地の上にサシエを這わせるイメージで狙っています」

しかし、マキエが効き始めると同時にエサ取りの活性が高くなり始めた。

納竿は午後2時。

気づけば残された時間は30分を切っていた。

G杯を4度も制した男でさえ、やはりこの状況は厳しすぎたのか・・・。

そうあきらめかけたとき、ウキにモゾモゾとした小さなアタリが出たため、反射的に素早いフッキングを決めた。

重量感、そして美しい0.2号の曲がりからエサ取りではないと確信。

慎重に竿全体で優しくいなしながら寄せにかかり、海面に浮かせたのは正真正銘のチヌだった。

「納竿間際でしたね!よかったー。エサ取りが多かったので、あえてマキエとサシエをきっちりと合わせてカモフラージュさせたんですよ。サシエもネリエだと瞬殺だったので黄色のオキアミにしたのが正解でした」

サイズは30cmオーバーと小型ではあったが、価値ある1尾に歓喜。

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仕掛け

ハリは、ナノ・スムース・コートを採用したナノチヌふかせ。エサ取りが多く、マキエと合わせてカモフラージュさせたいときは1号、エサ取りが少なく、狙いのタナまで素早くサシエを送り込みたいときは2号を使う

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がまかつ ナノチヌふかせ(10袋) (1号)

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南康史ファーストインプレッション

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ロッド

柔軟性とパワーを両立させた0.2号とオールマイティーに楽しめる0.6号を追加。 歴代の本調子を継承して進化を遂げたスーパープレシード全号数ラインナップ完遂

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圧倒的な粘りとトルクで時代を席巻した歴史的名竿、初代プレシード、二代目プレシードスペシャルに続き「INASystem」、「TORAYCA(R)T1100G」などの新たなテクノロジーを搭載して進化した三代目スーパープレシードに、0.2号-5.3mと0.6号5.3mの2機種が加わり、ラインナップが完成した

先調子でなければ胴調子でもない、竿全体が美しく湾曲する至極の「本調子」。

その限界を感じさせないスムーズな曲がりがパワーロスと伝達ブレを払拭し、圧倒的なトルクと粘りを生み出す。

「チヌがメインになる私の場合は0.2号と0.6号が主流になりますが、なんといっても竿全体がきれいに曲がるので気持ちがいいですね。スムーズに美しく曲がることで、魚の引きを竿全体で吸収してくれるので魚が怒りにくい上に、ハリスへの負担も減るので安心して勝負ができます。0.2号はチヌ竿のデフォルトである0号よりも強い設計なので、不意な走りにも対応しやすいです。藻の周辺などでも魚を強引に止められるので安心感が増します。また、0.6号はオールマイティーに使えるので、全国のあらゆるフィールドや大型狙いに力を発揮してくれると思います」

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リールシートにはスクリュータイプを採用。さらに独自のハンプ形状で手のフィット感を高めている

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ロッド

スーパープレシード独特の美しいデザインが釣り人を魅了。ロッドエンドにもこだわりのデザインが施されている

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●交通:神戸淡路鳴門自動車道の西淡三原インターで下り、県道31号、県道76号を経由して土生港へ。

●問い合わせ:川口渡船(080-6156-9220)

(文・写真/磯釣りスペシャル編集部)

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