気温も上がり一気に春めいてきたから沖釣りに行きたくなる。

そんな人におすすめなのが東京湾のビシアジ釣りだ。



3月は一年のうちで最も水温が低い時期、さらに春の速潮が重なり決して釣りやすいわけではないが、基礎さえしっかり理解して実践すればしっかりと結果は付いてくる。

「タナで待っているだけだと食わないよ。コマセの中にちゃんと付けエサを入れるイメージでやってね」とは三浦半島走水港・関義丸の関口道義船長。 

取材日は開始からポツポツ釣れ続き、後半は入れ食い状態でトップ53尾だった。

当地の名物の大型は交じらなかったが釣れるアジはいずれも幅広の中型メイン。

食べて一番うまいと常連さんたちが好むサイズだった。

関義丸は13時までのショート船で、長すぎず短すぎずちょうどいい釣りが楽しめる。

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アジは釣り味も食味も飽きがこない優等生

NOTE アジ釣りのおすすめグッズ

アジにはゼイゴのほか腹側に2本の鋭いトゲがあり、素手で持つと痛い思いをすることがある。

慣れない方はフィッシュグリップ(魚バサミ)でつかんだほうが安全だ。

中級者以上の方にはハリ外しと小ダモをおすすめしたい。

ハリ外しがあれば魚体に触れることなくハリを外せ、小ダモはバケツからクーラーへ移すときに重宝する。

小ダモはプラスチック製のザルでも代用できる。

大漁時には欠かせない便利グッズだ。

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グッズの写真

観音崎と富津岬に挟まれて浦賀水道がぐっと狭くなりボトルネック形状になる走水の沖合は、年間を通して潮の流れが速い海域だ。

走水沖には小さな根が点在し、また魚礁の入っているポイントもあって、潮流とぶつかることでプランクトンが豊富に湧く。

そこで育つアジは体高があり、身の締まった魚体と味のよさから「走水のアジ」として昔からの有名ブランド魚だ。

釣り場の水深は時期によっても違うが、春先はたいてい60~70m前後。

このところの釣果は多少の波こそあるものの、ショート船でトップ50~60尾と好調で、条件がよいと束釣りの声も聞かれる。

サイズは「大アジが多い日もあるけど、さすがに水温が下がってきて中型が多いね」とは三浦半島走水港・関義丸の関口道義船長。

中っぱとも呼ばれる23~27cmほどのアジで、家庭で調理するにはちょうどよく、食べても絶対にうまいサイズだから「大アジよりも中アジ狙いで」というファンも多い。

実は私もその一人だ。

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釣行の写真

アジ一筋という常連さんも多い

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釣行の写真

刺身、なめろう、塩焼き、フライとなんでもうまい

ビシは細目タイプ推奨

走水沖ではアンドンビシのオモリは130号が標準。

船によっては150号指定のところもあり、関義丸でも潮が速いと増しオモリ(船に常備)を指示されることもある。

したがって竿はオモリ150号の負荷に対応できるビシアジ用ということになる。

かつては走水用のビシアジ竿となると頑強一徹といった感じのものが多かったが、最近はやや胴調子のムーチングアクションの竿を使う方が多く見受けられる。

好みではあるが、慣れない方には昔ながらの先調子気味の竿のほうが、タナ取りやコマセの振り出しなどで扱いやすいと思う。



リールは水深だけ見ると手巻きの範疇に思えるが、速潮の中で130号ビシを頻繁に打ち返すのは結構な重労働で、電動リールの出番となる。

道糸はPE3~4号を200m以上巻いておきたいので、シマノなら2000番前後、ダイワなら400番前後のサイズが好適。

テンビンは腕長30cm程度の中型テンビンで、できればストレートタイプのほうが仕掛けの絡みも少なく、アタリもシャープに出るのでおすすめ。

アンドンビシはコマセの放出を抑えられる細目のものを選ぶ。

船宿でも借りられるので、迷うならレンタルしよう。

仕掛けはハリス2号全長2m、ハリはムツバリ10号が標準。

大アジのほかマダイやクロダイなどのゲストに備えハリス2.5~3号、ハリ11~12号の大型用もあると安心だ。

ハリ数は2~3本で、慣れない方や大アジ狙い用には2本バリ仕掛けがよいだろう。

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仕掛けの写真

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仕掛けの図

速潮対策でアタリを出そう

春は潮の干満の差が大きいため潮干狩りの最適期になるが、その分潮流は速くなる。

もともと潮の速い走水はさらに顕著だ。

したがって春アジ釣りでは「オマツリ防止」「タナ取り」の2点がいつも以上に重要となる。

まずはオマツリを防ぐ投入から。

ビシは振り子の要領で潮上の沖目に投入したい。



とくにアジが釣れた後やコマセの詰め替えなど、隣の方の道糸が自分の前に斜めに入っているときには必須のテクニックで、普通に自分の前に投入すると、隣の人の道糸の上にビシをかぶせることになりオマツリ必至だ。

ビシを投入したらフリーで糸を出さず、必ずリールのスプールを指で押さえ(サミング)ながら仕掛けを落とし込んでいく。

これをやらないと糸がどんどん潮に押され、潮下に向けて斜めになっていくからだ。

サミングをしていても斜めに糸が出て行くような場合には、サミングを強めて途中で落下を止め、ある程度道糸が自分の前に戻ってくるのを待って再度落とし込んでやる。

ビシ着底後のタナ取りもすぐにコマセまきに入らず、まずは4~5m空巻きしてから底ダチを取り直す。

これは潮に押されて余分に出ていた糸を真っすぐにするためだ。

底ダチを取り直したらコマセワーク。

走水沖では「下から3mくらい」といった具合にタナが指示されることが多い。

この場合は、着底したビシを道糸のマーカーで2mまで上げてコマセを振り、もう1m上げてアタリを待つのが走水に限らずビシアジ釣りの基本形だ。

ただし、関口船長は「アジの群れが濃いときはタナさえ合っていれば適当に食ってくるけど、この時期は反応が薄いことも多いから、そんなときにはコマセの中に仕掛けをしっかり入れてやらないと食わないよ」とアドバイスする。

潮の流れが緩ければ、コマセを振って1m巻いて待てばほぼコマセと仕掛けは同調するが、潮が速いとコマセが流れ去るのは速いし、仕掛けも横にたなびくので同調させるのはなかなか難しい。

また一口に潮が速いといっても、上の潮だけが速い場合と底潮も速い場合とがある。


上の潮だけが速い場合は、3mのタナで釣っていて、底ダチを取り直すために再度ビシを着底させると3~4mしか糸が出ないが、底潮も速い場合は1分たたずに5mも6mも糸が出てしまう。

ビシが潮の力で吹き上げられているのだ。

前者の場合は、最初に底ダチの取り直しさえしっかりできれば、ほぼ基本どおりの釣り方で対応でき、あとはコマセを振る位置、アタリを待つ位置を50cmくらいずつ上下に変えて、タナを微調整してアジの食いダナを探ればよい。

また、通常のビシアジ釣りではシュッ、シュッと振り幅を狭く濃いコマセの帯を作るのが基本だが、コマセと仕掛けの同調がイメージしづらい速潮時には幅広く薄いコマセワークのほうが安定してアタリが出る場合も多い。

難しいのは底潮も速い場合で、まいたコマセはすぐに流れていくし、仕掛けもほぼ真横に流されているだろうから、コマセと仕掛けの同調がイメージしづらい。

こんなときには1.5mで軽くコマセを振ってそのまま待つ。

アタリがなければ2mで、2.5mで、3mでと繰り返していく。

こんな状況ではコマセは強くまいてはダメ。

濃いコマセの帯を作ってもすぐに流れ去り、場合によってはコマセを追ってアジも付いていってしまうからだ。

軽く振るだけもしくは潮の流れで自然に出るコマセで釣るイメージだ。

道糸の向きや底ダチの取り直しなどから、今がどんな潮の状況なのかを理解して対応しよう。

水温低下も安定釣果が続く ビシアジ釣りの基本で攻略!
釣り方の図

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釣り方の図

攻略しがいがあって楽しい 最後は怒濤の入れ食いも

3月も目前というのにこの冬一番の寒さに震えた2月下旬。

今年の春アジの模様を取材すべく三浦半島走水港の関義丸さんにお世話になった。



相変わらずの人気ぶりで平日にもかかわらず満船の関義丸は、冷たい北東風に逆らうように沖へと向かい、20分ほどの走水沖で釣りを開始する。

出船前に聞いた連チャン釣行の常連さんからは、前日は朝のうちまったく食わず10時半まで4尾だったが後半は絶好調で最終的に61尾と聞いていたが、この日は朝イチから好食い。

25cm級の中アジがあちらこちらで上がり出す。

件の常連さんも「一日でこうも変わっちゃうこともあるんだね」と驚きの笑顔だ。

風に揺れ動くアジのピント合わせに苦戦しながらも、アジの食いっぷりに助けられて撮影も順調に進み1時間半ほどして私も竿を出す。

しかしどうしたことか、私が竿を出した途端に食いが止まる取材あるある。

20分ほど粘ったところで船長から移動のアナウンスが出た。

次なる場所へは5分とかからず、「さっきと同じ下から3mくらい」のアナウンスで釣り再開となる。

ここではポツポツながらアタリが戻ってきた。

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釣行の写真

1尾掛けが多かったが数がのびた

コマセの同調をイメージ

この日は中潮だったが、日中の潮位差はそれほどなく潮の流れは穏やかなはずなのだが、さすがは走水。

結構な角度で道糸はトモ寄りに流れていく。

水深はやや深くなり道糸のマーカーで67mほど出た。

潮に押された分を考慮すると、水深60m少々といったところか。



ビシが着底後すぐに5m巻いて、再度底ダチの取り直し。

それから2m上げてコマセを2回振って、50cm巻いてひと振り、もう50cm巻いてひと振りしアタリを待つ。

この日の食い方を見ていて、コマセに突っ込んでくるほどの活性がないように感じた。

そこでコマセの帯は狭い範囲に作らず、広くコマセを振ることで仕掛けがコマセの中に入りやすくするイメージを描いた(あくまでも想像ですがこれがこの釣りには重要です!)。

拾い釣りといった感じで、ペースは上がらないもこの釣り方でまずまず順調に数を稼いでいく。

型は大もないが小もなく中アジぞろい。

もちろん、体表のヌメリが強く体高のある文句の付けようのない走水の激ウマアジで、個人的には一番釣りたいサイズだ。

ラスト30分を切ったところで最後の移動。

ここへの移動も数分とかからず、珍しいことに、「ここでは上からやって。上から45m」の指示。

おそらく魚礁の上なのだろう。

そしてここで怒濤の入れ食いが始まった。

始めのうちは20cmほどの小アジも釣れたが、そのうちに中アジ主体となり、ときには一荷もある釣れ具合だ。

ラストはキッチリ釣って終わりたいところだが、なんと2連続で水面ポチャリをやらかしてくやしさ全開、後ろ髪も抜け落ちそうなくらいに引かれて残念無念の沖揚がりとなった。

「もっと早くこの場所にくればよかったね。でも水温が低いせいか毎日釣れるポイントが変わるんだよ」とこの時期の難しさも船長から聞いた。

とはいえこの日もトップは50尾超え。

操船も釣るほうも難しい部分もあるが、それ以上の面白さもあって走水沖の春アジ釣りは今期も健在!と感じた取材釣行だった。

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釣行の写真

後半は入れ食いに

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この日は25~27㎝の中型メインでトップ53尾。この時期でも束釣りの日もあるそう

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釣行の写真

マダイが交じった

船宿information

三浦半島走水港 関義丸

046・841・7154

▼備考=予約乗合、7時15分出船。ほかショートタチウオへも

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隔週刊つり情報(2025年4月1号)※無断複製・転載禁止

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