この春、関東の沖釣り界で最も注目を集めたと言っても過言ではないトラフグ。

とくに気になるのは「Xデー」がいつ訪れるかということ。



今期は3月中旬の大潮回りから富浦沖の深場で乗っ込みの兆候が見られ、Xデー特有の派手な釣れ方はないものの連日安定した釣果が続いているのが特徴だ。

「今年はXデーがない説に1票です。乗っ込みがダラダラと続く感じじゃないでしょうか」と内房勝山港・萬栄丸の中台涼船長は予測する。

特大サイズは多くないものの2kg前後主体に船中20尾前後の釣果が続く。

取材した3月29日の中台船長の船は0~3尾、船中25尾の釣果を記録、これでも十分好調と言えるだろう。

本来1尾釣れたら欣喜雀躍モノのお宝魚。

いつまで続くかは神のみぞ知るところだが、早めの釣行を!

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▲船中1尾目は2kg級

釣ったら血抜きを!

釣ったトラフグは安全にさばいてもらえるが、よりおいしくいただくために必ず血抜きを。

エラの穴からハサミを入れてチョキッとすればOK。

くれぐれも安全に注意して行うこと。

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終盤戦突入もワンチャンあり!

つり情報では早い時期から今春のトラフグの動向を追い続けてきたが、今号発売時期は乗っ込みの終盤戦を迎えている。

すでにいい思いをした人も多いだろうが、今期は昨シーズンにあったようないわゆる「Xデー」という目立った釣れ方は見られなかった。

そもそもトラフグにおける「Xデー」というという呼び方もここ数年のことなので、何をもって「Xデー」と呼ぶかの正しい定義があるわけではない。

「今年は去年みたいな船中50尾以上釣れて早揚がりというXデーはなかったですね。それでも乗っ込み場所に群れが集まってダラダラと釣れ続いています」と内房勝山港・萬栄丸の中台涼船長は言う。



勝山港出船の釣り船は釣り場まで近く「モーニングサービス」の恩恵を受けやすいが、昨シーズンのように仕掛けを落とせば釣れるのではなく、誘いなどがより重要になってくるようだ。

船数も多くなりトラフグがスレてきている傾向もある。

船長によれば、3月13日(中潮最終日)の午後に富浦沖の釣り場付近の偵察に行ったところトラフグの反応が見られたため14日(大潮1日目)から本格的に狙うようになったという。

昨シーズンは勝山の釣り船もまだ手探り状態だったためトラフグの群れの動向をつかみづらい部分もあっただろうが、今年は早い時期から群れを追っていたため早く群れがが見つかったと言えるかもしれない。

3月上旬の時点では東京湾内は水温がここ数年の中では低い傾向にあり、久里浜~富津沖にかけては10~12度台と低水温が続いた。

このため、トラフグ、マダイともに例年より乗っ込みが遅くなるのではと予測する人も多かったが、マダイは一足早く、そしてトラフグも追従するかのように乗っ込みが始まった。

「Xデーとは言わないかもしれませんが、乗っ込みは間違いありません」と中台船長が言うように、3月中旬からは2kg前後主体に船中20尾前後の釣果が続いている。

3月14日に本格化してから一時期、水深100m近い深場で4~5kgの大型が目立ったが、その後は水深60~80mで釣れ続いた。

4月上旬になると富浦~岩井沖の水深40m前後の浅場にも群れが見られるようになった。

「白子の状態もいいのでまだ続きそうな雰囲気です」とは4月6日の状況だ。

ちなみに昨シーズンは4月15~20日の間に「Xデー」再来とも言える食いも記録している。

多い日には50隻を超える船が集結し競争率が高いターゲットだが、それだけ1尾の価値は高い。


今シーズンは残り少ないが、釣れているうちは出船するのでラストチャンスを楽しもう。

また、今シーズンに行きそびれてしまった人や興味があるけど未経験という人は、来シーズンにぜひ体験してほしい。

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▲カワハギ名手の萱沼さんは初挑戦で良型ゲット

電動リールがおすすめすべて頑丈仕様に

竿は全長1.8~1.9m前後のトラフグ専用竿、テンヤタチウオ用、穂先感度があり胴がしっかりしたゲームロッドなどを使用する。

リールは超小型電動または小型両軸。

水深が80m前後と深いことから電動が楽。

また掛けてからの巻き上げは電動で常にテンションをかけておけるためバラシが減少する。

巻き上げは手巻きを推奨する人もいるものの、パワーがある小型両軸で強い引きにも負けず一定の速度で巻き上げ続けられるならいいが、ビギナーではなかなか難しい。

慣れない人ほど電動の使用がおすすめ。

道糸はPE1.5号。

多くの船宿はPE2号以下の使用をルールとしているが、使用する仕掛けのオモリが30号で、よりスムーズに落下させるために1.5号の使用が好ましい。

道糸の先にはフロロ6~8号のリーダーを2mほど付けておく。

仕掛けは各メーカー、釣具店から発売されているトラフグ専用仕掛けを使用するが、大型メインの今の時期はカットウを付けない食わせ仕掛けを用いる。

こちらは30号のオモリに2~3個のハリを組み合わせたもの。



ハリは「2個まで」と指示される場合もあるので、船長の指示に従う。

ハリ、サルカンなど強靭な歯を持つトラフグに耐えられるように太めで頑丈なものを選ぶ。

オモリのカラーによってもアタリの出方が変わることがあるので、ピンク、ゴールド、夜光系など各種用意しておくといいだろう。

また、集魚効果を見込んだアクセサリー類にタイラバ用のネクタイ、スカートなどを使う人もいるが、これは付けてもいいし付けなくてもいい。

萬栄丸ではハヤブサの「カニラバ」の実績が高いそうなので紹介しておく。

このほかハサミ、安全にハリを外すためのペンチ(スプリットリングプライヤー)、フィッシュグリップは必ず持参を。

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内房のトラフグ仕掛け例

エサはエビが基本ブッ込みは大チャンス

エサは船宿ではアルゼンチンアカエビを購入できる(萬栄丸では10匹1000円)。

自分で用意して足りないときに追加してもよい。

事前に頭を落とし殻を剥いておき、添加剤に漬けて加工して集魚効果、エサ持ちをアップする人も。

乗船してからでもいいが朝イチはとくにチャンスなので、10匹程度はすぐに付けられる状態にしておこう。

エビエサは尾からハリを入れる、頭側からハリを入れる、それぞれハリ先を出す、隠すなどの方法で付ける。

どれが正解かはそのときの状況によるが、ハリ先を出したほうがアタリは出やすいので食いがいいときはハリ先を出すのがおすすめ。

エサはエビのほかイワシ、ホヤ、アカガイなど。



色いろ試してみるのも面白い。

「宙層反応のときはイワシエサが効きますね。底反応のときはなんでも食います」と船長は言うが、エサ持ちは悪いもののやはりエビエサがオールマイティーのようだ。

潮回りをした直後の投入は反応を見ての投入のためチャンスは大きいので、船長の合図と同時に投入できるようにしておくこと。

「ブッ込みは釣り座に関係なくみんなにチャンスがあります」

大流しになるとどうしても潮先有利になるが、集中して挑みたい。

ここでエサについてどう考えるか?

「3つのハリにボリュームタップリに目立つように付ける」

これはアピール性が高くなるので一理あるが、一つ大きな問題がある。

それは落下が遅くなるということ。

せっかく釣り座の有利不利が少なくだれにでも釣るチャンスがあるのに、エサの抵抗が大きく着底まで時間がかかってしまってはブッ込みの恩恵を享受することはできない。

「エサバリは2本もあればいいですよ。1本で釣る人もいますよ。抵抗が少なくて早く落ちますから」と船長。

そこでおすすめしたいのが、ブッ込み時とその他のときに仕掛けを交換すること。


ブッ込み時は早く落下するようにエサバリは1~2本に、そのあとは2~3本付けたものに交換すれば、チャンスを逃さない。

トラフグは「ガチャ」とも言われるように釣り座、経験など関係なく食ってくることが多いが、より可能性を高めて挑みたい。

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▲ほとんどの人が良型を手にした

NOTE トラフグエサ事情

トラフグのエサといえばアルゼンチンアカエビが一般的。

船宿でも常備されているし、釣具店での販売も始まっている。

それでも釣り人は色いろなエサを持参して、少しでもトラフグの気を引こうとしている。

代表的なのはイワシの切り身、ホヤなどだが、私が釣行した2日間で、意外によかったのが釣房商店製のアカガイ。

たぶん臭いの効果とは思うが、身の硬さにもあると思う。

萬栄丸でよく釣る某常連さんはアカエビを使うのだが、皮付きのまま装着する。

身だけだと柔らかすぎて一瞬で取られてしまうが、皮付きはかみ砕く動作があるので、その分アタリが伝わりやすく、持続性もあるというわけだ。

同じくアカガイも塩で硬く締めてあるので、一瞬で取られることは少ない。

偶然かもしれないが、エビとアカガイを交ぜて付けたらアカガイだけ食われていたこともあった。

これは来期に向けて、じっくり検証する必要もあると思っている。

(根岸伸之)

巻き落としは必須合わせは二段階のイメージ

船長のアナウンスは「底反応」、「底から2mくらいに反応」、「底から5~6mに反応」など様ざま。

その都度聞き逃さないようにする。



いずれの場合もまずは着底させて、船長の言う反応の濃そうな場所に仕掛けを持っていく。

まずは自分のエサを見付けてもらうことが肝心。

そこで、竿をゆっくり持ち上げて、次はゆっくりと落とし込んでいく誘いが有効になる。

「アタリがなければどんどん巻き落とししてください」10mほど一気に巻き上げて落下させてやる。

この動きでフグにエサの存在をアピールしてやる。

簡単で大きな効果を生むけどとても簡単なので頻繁に行おう。

アタリは竿先にしっかりと伝わるものが多く、アタったらごくゆっくりのスピードで竿を上げて深追いさせて、強く引き込んだところで合わせるイメージだ。

「最初の合わせは乗せるようなイメージで、ここで乗ったと思ったら強く合わせるとしっかり掛かります」

いきなり大合わせすると、もし合わせ損なった場合にフグが散ってしまうのだという。

最初の合わせは重量感を感じ、それから一気に強くハリ掛かりさせるイメージだ。

ただ、合わせに失敗してもすぐに上げずにその場で待つと、再びアタックしてくることも多いから忘れずに。

また、1尾釣った後やバラした後は必ずハリ先をチェックして、鈍っていたらすぐに交換を。

掛けたら電動を入れ早めのスピードで一気に巻き上げる。

この件について別取材で同船したダイワの宮澤幸則さんによると、「シーボーグ100Jだとスピードは20~22くらい。途中で強く引こうが一切止めたり緩めないことです。ここで止めた瞬間にバラシが多くなります」とのこと。

実際、このとき実験的に手巻きで挑んだ同船者がバラシ続出していたのに対して、宮澤さんはバラシなし。

電動巻き上げの効果を目の当たりにしたのだった。

また、大型は食い上げることもあり、ここでバラすことも多いが、電動なら常にテンションをかけておけるのでバラシを軽減できる。

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乗っ込みトラフグの釣り方

自分だけ釣れないときのチェック事項

周りは釣れている。

なぜだか自分だけ釣れない。

そんなときはまず仕掛けを回収してチェックしてみよう。

①エサがちゃんと付いているか②ハリが絡んでいないか まずはこの2点をチェックし、さらにオモリの色を釣れている人の色に寄せてみる。

逆に両隣と同じ色だったら、全く違う色にしてみる。

次の潮回り後はいち早く投入し、基本どおりの誘いと巻き落としを頻繁に行う。

バラシが多いときはハリ先をチェックして、少しでも刺さりが悪いと感じたら迷わず交換しよう。

この釣果が続くのが最高かも

取材日は3月29日。

おそらく多くのファンはこの前後を「Xデー」だと想定し、港は深夜から多くの車でごった返していた。

これから挑戦する人は早めの到着をおすすめしたい。

萬栄丸は3隻出船し富浦沖を目指した。

朝方はややスロースタートもポツポツと食い、いい群れが入ってくると3~4人同時ヒットもあった。

釣れてくるのはいずれも2kg前後とちょうどいいサイズ。

小移動を繰り返しては拾っていく。

爆発的な釣果ではないが、この日は22人で25尾。

これを多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思うが、数日間だけドカンと釣れるよりも、このくらいの釣果が長く続いたほうがみんなが楽しめるはずだ。

おそらく、今春のトラフグ情報をお届けするのは今号で最後の予定だが、引き続きその動向はチェックし、来シーズンに繋げていきたいと思う。

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▲ダブル、トリプルヒットもあって22人で25尾

船宿INFORMATION

内房勝山港

萬栄丸

090・3210・6258

▼備考=予約乗合、4時集合

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隔週刊つり情報(2025年5月1号)※無断複製・転載禁止

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