レビュー

そもそもピボット(Pivot)とは何だろうか? 辞書をひくと、「旋回軸、てこの支点、スポーツでの軸足を中心とした回転」といった言葉がでてくる。そこから転じて、ビジネスでは「方向転換」という意味で使われる。


2014年、アクセンチュアの経営陣は、新しいテクノロジーによって自社のビジネスが創造的破壊の波にさらわれ、コモディティ化しつつあることを理解した。ここから後に「賢明なピボット(Wise Pivot)」と呼ばれるようになる、継続的な事業の「再構築」が始まった。それはいまの言葉でいえば、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に他ならない。このピボット(方向転換)によって、結果としてアクセンチュアは脅威をチャンスに変えることに成功した。そして学んだ教訓を、多くのクライアントにサービスとして提供するようになった。そのコンセプトが、本書のタイトルにもなっている「ピボット・ストラテジー」である。
ピボット・ストラテジーを一言で表すなら、「動的なポートフォリオの管理」だ。ポイントとなるのは、「未来の事業」に投資するのはもちろんのこと、「過去」と「現在」の事業にも新しいテクノロジーを導入し、さらなる成長を実現することである。そこで重要になるのはイノベーションであり、投資のバランスであり、人材だ。
本書はDXの教科書としても出色と言えるだろう。「何ができるのか?」の羅列に終始するのではなく、「何のためにDXを行うのか?」といった本質的な問いかけをしてくれる一冊である。

本書の要点

・新しいテクノロジーは、潜在的な収益価値を膨らませて、現実のビジネスとの間でギャップを生む。

そのギャップを解消するのが創造的破壊である。
・「圧縮型創造的破壊」が、数多くの既存業界で起こっている。それはゆっくりと市場を蝕んでいく継続的な破壊であり、それをまぬがれるためには事業の「継続的な再構築」が欠かせない。
・「賢明なピボット」によって、過去の事業に第2の人生を与え、現在の「金のなる木」を「花形」に変身させる。そしてそこから得た利益を未来の事業に投じていくことで、継続的な成長を実現できる。



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