レビュー
音楽のストリーミング再生も、Netflixなどによる新旧映画の連続視聴も、もはや当然のものとして享受している現代人。そこでは過去の作品なのか最新作なのかといった区別すら、ナンセンスになりつつある。
「過去」や「未来」のあいだに「現在」があるということを、私たちは当然のものとして捉えている。しかし本書を読み進めていくと、そうした時系列の観念ですら、決して自明のものではないということがわかる。
高度に発達してきた情報テクノロジーは、「前があって後がある」「原因があって結果がある」という「因果の物語」から人びとを解放する。知能を持った機械に囲まれて、すべての時間に属するものが目の前に同時に立ち現れるような状況は、SFの話ではない。すぐそこにある現実だ。
著者はこれまでに明かされてきた世界の「法則」や「物語」を逍遥(しょうよう)しながら、社会事象を動かしている仕組みを明らかにしようとする。そこには、目的意識やゴールに縛られる現代人への熱いエールも込められているような気がしてならない。
随所に張り巡らされた論理の伏線を眺めていると、まるで上質のミステリーを読んでいるかのようだ。難解な科学的理論であっても、著者は探偵のように解きほぐしてくれる。著者の手腕に感謝しつつ、気楽に楽しんでいただきたい本である。
本書の要点
・現実世界は、複数の原因が重なりあって結果を生んでいる。
・「因果の物語」の代わりに立ち上がってきたのが「確率の物語」「べきの物語」そして「機械の物語」だ。ただし人間はこれらの物語を「自分ごと」だと感じられず、結局は「因果の物語」にとらわれてしまっている。
・私たちは機械や他者、仮想や現実が偏在している時空間に生きている。あらゆるものにつながっているという感覚をもち、善き相互作用を育んでいく「共時の物語」が求められる。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に1,500タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)







![NHKラジオ ラジオビジネス英語 2024年 9月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Ku32P5LhL._SL500_.jpg)
