レビュー
リクルートの新規事業開発室長として1500件の新規事業に関わってきた、新規事業開発のプロによる一冊が登場した。何より最初に取り組むべきこと、創業チームの組み方、新規事業開発を立ち上げるための6つのステップなど、新規事業を始めるにあたって押さえておくべきポイントが網羅された、「新規事業開発の教科書」と呼ぶにふさわしい一冊である。
猛烈なスピードでビジネス環境が変化していく現代においては、仕事で身につけたスキルが急激に陳腐化したり、AIに仕事を奪われたりする可能性が現実味を帯びてきた。一方で、このような激動の時代を迎えたとしても、決して陳腐化しないスキルがある。それが、自分の頭で考え、自分で顧客を見つけ、自分で商売をするという、新規事業開発で身につくスキルなのである。そのスキルは、本書のサブタイトルにもあるように「一生食える普遍的なスキル」だといえよう。
「新規事業なんて自分には無理だ」と思う方もいるかもしれないが、著者が出会ってきた社内起業家たちも、必ずしも最初から意志を持っていたわけではないのだという。現場との対話を重ねるうちに、起業家として目覚めていく人たちも多いそうだ。
本書は、新規事業開発に関心がある方には何をおいてもお読みいただきたい、まさに必読の一冊である。「今のところ、新規事業開発にかかわる気はない」という方も、新規事業開発の実態やスキルを知っておけば、今後の業務に大いに役立てられるのではないだろうか。
本書の要点
・日本企業がイノベーションを生み出せなくなったのは、社内の新規事業に投資しなくなったからだ。
・新規事業を開発するにあたって最初にすべきことは、WILL(意志)の形成である。それは、「ゲンバ」と「ホンバ」に行くことによってなされる。
・創業メンバーを選ぶときには、意志が同じで、役割の異なる少人数を選ぶことが重要だ。
・新規事業には6つのステージがある。すなわち、ENTRY期、MVP期、SEED期、ALPHA期、BETA期、EXIT期である。
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