レビュー

「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」――まったく同じ歴史が繰り返されることはありえないが、繰り返される「パターン」は存在するという意味だ。歴史を丸暗記することそのものに価値はない。

だが歴史から失敗や成功パターンを学ぶことには、大きな価値がある。失敗パターンに嵌まらないように警戒したり、成功パターンに乗せたりするためには、どうすればよいのか。
一時は栄華を誇ったのにもかかわらず、あっけなく衰退した企業と栄え続けている企業の事例が、本書では豊富に紹介される。とりわけ要約者は、米国の老舗ピアノメーカーのスタインウェイが衰退した一方で、日本の新興ピアノメーカーのヤマハが業界トップに躍り出た、という対比が興味深いと感じた。
スタインウェイのように、成功体験ゆえに容易に方針転換できず、衰退していく企業は想像以上に多い。時代の変化や競合の出現により、いつの間にか強みであったはずの技術や設備、人材が負の遺産となり、企業の足を引っ張る弱みとなってしまうというのはよくある話だ。そうならないためには、いま土台としている知識分野から離れることも考慮しなければならない。
本書では、いまの知識分野とは異なる知識分野へリープ(跳躍)し、新たに知識を活用し創造するための5つの原則がまとめられている。歴史から学ぶことの重要性をあらためて知るとともに、何が起きるかわからない時代を生き抜くための手がかりを、本書からは得られるだろう。

本書の要点

・長期にわたり成功するための唯一の方法は、「リープ(跳躍)」することである。
・リープするための原則は、(1)自社の基盤となっている知識とその賞味期限を知ること、(2)新たな知識分野を見つけ、開拓すること、(3)地殻変動レベルの変化を味方につけること、(4)とにかく実験を続けること、(5)実行に際して「ディープダイブ」することだ。
・企業が新たな知識分野へとリープする際、CEOは戦略立案以外にも責任を持ち、中間レベルのゼネラルマネジャーが尻込みするようなリスクを果敢に吸収しなければならない。



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