レビュー

都市同士の競争が激しさを増している。少子高齢化による人口減少が進む中、住む人にとって魅力的でなければ転出が進むばかりで、競争力も高まらない。

そんな時代に、成功事例として注目を集めているのが福岡だ。
本書によると、福岡における取り組みの中でも特徴的なのは、産官学民の連携だという。そのプラットフォームが、福岡地域戦略推進協議会(FDC)だ。著者は、経済産業省、コンサルティング企業を経て、2015年に35歳という若さでFDCの事務局長に就任した。本書はそんな著者が、福岡躍進の秘密を、豊富な事例と戦略的な取り組み、九州の風土や気質から詳らかに解説している。
福岡は、人口増加率が7%と日本一であるだけでなく、市民アンケート(2019年)では「福岡市が好き」と答える人が96.6%と、住む人に愛されているまちだ。それだけではない。2016年に発表された「世界で最も住みやすい都市ランキング」(2016年)では、第7位に選ばれている。日本で福岡より上にランクインしているのは、東京だけだ。
そんな福岡だが、もともとはネガティブ要素の多いまちだったという。そんな福岡が、いかに今のような勢いをもちはじめたのかが、本書の最大の読みどころだといえるだろう。
本書は、まちづくりのことだけを書いた本ではない。
きっと、イノベーションを起こすためのヒントが得られるはずだ。

本書の要点

・福岡は、財界、学会等が連携して「福岡地域戦略推進協議会」を設立したり、大規模なMICE(マイス)の誘致のために福岡観光コンベンションビューローの誘致部を強化したりするなどして、戦略的なまちづくりを行っている。
・著者らは、福岡都市圏の、メガシティにはないコンパクトさ、優れた人材を惹きつける生活の質の高さ、イノベーションのエコシステムを支える先駆的な教育機関などといった価値を生かして、「東アジアのビジネスハブ」をつくろうとしている。



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