レビュー

人材不足の昨今、社員のエンゲージメントを高めるため、AIやHRテックを活用したいという企業が増えている。エンゲージメントを測るアンケートを受けたという読者もいることだろう。

こうして集まったデータは、本当に活用されているのか。果たしてサーベイの実施は、組織をより良いものへ変えてくれるのだろうか?
本書は、人材開発や組織開発の研究者として日本をけん引してきた著者による、サーベイ(組織調査)活用のための入門書だ。昨今、多様化する組織を束ねて離職率の低下をめざすため、様々なサーベイが実施されている。だが、実際にはデータによる「見える化」は組織改革の始まりにすぎないという。サーベイから得たデータを武器にし、組織を変革していくための手順が体系的に紹介されているのが本書だ。
サーベイ・フィードバックという言葉が耳慣れず、理論としての学習が難しそうな印象を受けるかもしれない。しかし、「有用なものこそリアル」と語る著者は、とにかく現場で活用できるポイントを、わかりやすい文体と図解を用いて提示してくれている。また、メルカリパナソニック、デンソーの事例を通じて、サーベイ・フィードバックのリアルに迫れるのもありがたい。
読者の職場に眠っているデータがあるなら、ぜひ一読をおすすめする。人事部や経営企画部、経営者、そして現場の変革を導く主体となるマネージャー層には必読の一冊だ。

本書の要点

・サーベイ・フィードバックとは、サーベイを行って得られたデータを現場にフィードバックし、組織を変革する技術のことである。
・サーベイ・フィードバックは、「見える化」「ガチ対話」「未来づくり」の3ステップから成る。

データによる「見える化」だけではなく、フィードバック・ミーティングを実施することによって、その効果が高まる。
・フィードバック・ミーティングでは、メンバーそれぞれの解釈を受け入れてから、課題を自分事として決められるように導くことが重要だ。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ