レビュー

広告業界の大きな変化にお気づきだろうか。ネットフリックス、アマゾンプライムビデオといった有料動画コンテンツは、質・量の充実はもちろん、広告がない快適さでも支持されている。

我々消費者にとってテレビ番組にCMはつきものだったが、そもそも広告を見ないという選択肢を持っていることに気づき、鬱陶しい広告を飛ばすことが現実にできるようになったのだ。
これはブランド側から見ると、今までは固定のメディアでより多く買えばよかった広告枠が、あらゆるメディア、エンターテイメントに広がったことを意味する。つまり、見る人の時間を奪い合う「観客時間争奪の時代」が世界中で起きているのだ。このような変革・激震時代の新しい広告手法として注目されているのが「ブランデッドエンターテイメント」である。
本書は、世界最大かつ最も有名なブランドアイデアのアワード、「カンヌライオンズ」の審査員15名が初めて語る、未来の広告手法についての世界で唯一の書籍だ。クリエイティブ業界のプロである審査員たちが、世界中から集められた1000以上の優れたプロジェクトを分析して濃い議論を交わしている。その中で、広告・クリエイティブ業界をより向上させていく方法を各自の視点から考察している。
あなたにとって「お金を払ってでも見たい広告」は何だろう。本書で挙げられている受賞作も視聴しながら、ぜひ未来の広告についての理解を深めていただきたい。

本書の要点

・ブランドの競争相手はもはや広告主だけでなく、エンターテイメントとなった。貴重な観客の時間をいただくための新しい手法がブランデッドエンターテイメント、お金を払ってでも見たい広告だ。
・ブランデッドエンターテイメントで重要になるのがストーリーテリングと映像技術(クラフト)だ。

また、究極のエンターテイメントであるスポーツはこれから最も伸びる分野である。
・ブランデッドエンターテイメントは、才能ある優秀なメンバーでチームを組み、素晴らしいコンテンツを生み出そうという意欲があるならば、ぜひ取り組むべきものだ。



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