レビュー

最近、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく耳にするようになった。本書を読むと、SDGsの概念のもと、名だたるグローバル企業が、従来の大量生産・大量消費の経済システムから脱却し、持続可能なビジネスへと移行しつつあることがわかる。

その背景には、北極圏の気温上昇や海洋プラスチック廃棄物問題、世界の人口増加によるエネルギー資源や食料の枯渇などにより、これまでのような経済活動が立ち行かなくなっていることがあるそうだ。
その状況は、日本も例外ではない。資源の価格が高騰し、大量生産していた製品が売れなくなってきた今、「リサイクリング・エコノミー」は持続不可能であると、著者は強調する。
本書のテーマである「サーキュラー・エコノミー(「循環」型経済)は、SDGsを達成するための実践的な考え方であるという。ビジネスであるからには、単なる社会貢献ではない。これまでと違う経済活動によって、環境の保全だけでなく、20年、30年先まで成長し続ける、文字通り「持続可能な」仕組みを手に入れた実例が、本書では紹介されている。
新しいビジネスの手法を生み出したい、持続可能なビジネスを展開したいと願う読者にとっては、「サーキュラー・エコノミー」を知ることはもはや避けては通れないといっても過言ではない。もちろん、それ以外の読者にとっても、教養として知っておくべき考え方であることは間違いない。本書の導きにしたがって、新しい経済活動への一歩を踏み出してほしい。

本書の要点

・サーキュラー・エコノミーは、「まずは、廃棄物と汚染を発生させない」ことを前提とする。
・製品をサービスのように提供するビジネスモデルに移行すれば、企業とユーザーが長期的で持続的な関係を築くことができるようになり、新たなビジネスチャンスが生まれる。
・サーキュラー・エコノミーへの移行時は、新たな発想や手法に思い切って舵を切ることになる。

すぐに利益が出るものではないため、20年、30年という中長期的ビジョンを持つ必要がある。



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