レビュー

「VUCAの時代」と呼ばれて久しいが、特にここ1年は急な労働環境の変化や社会変動に見舞われた、稀有な年であった。しかし、そんな中でも生き残りをかけ、業績を上げていかなければならないのが、組織人の定めである。


常時課題に追われる中、解決のための新しい技法を取り入れてみては「イマイチ使いこなせない」と手放し、また違うものを取り入れて……を繰り返してはいないだろうか。このような状況で足りないのは、新しい知識でもメンバーでもなく、「自分自身に向き合うこと」であると本書は語る。
本書のタイトル「リフレクション(Reflection)」とは、自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為であり、日本語では「内省」が最も近い。リフレクションは古代ギリシャ時代から受け継がれてきた行為だが、20世紀の終わり頃からは人材育成メソッドとして、世界的な広がりを見せているという。
リフレクションの目的は「あらゆる経験から学び、未来に活かすこと」である。成功も失敗も、どのような経験にもたくさんの「叡智」が詰まっている。経験を客観視することで新たな学びを得て、未来の意思決定と行動に活かしていく。それがリフレクションである。
なんだか難しそう……と尻込んだ方もいるかもしれない。しかし方法はいたってシンプルで、紙とペンさえあれば、たった数分でもできる。詳細については本要約を一読し、ぜひ気軽に実践していただきたい。リフレクションの効果が実感できるはずだ。

本書の要点

・リフレクションとは自己の内面を客観的・批判的に振り返る行為であり、「あらゆる経験から学び、未来に活かす」ことを目的とする。
・事実や経験に対する自分の判断を「意見」「経験」「感情」「価値観」の4つに切り分けて可視化する「認知の4点セット」で、メタ認知力を高められる。
・リフレクションと反省は違う。良質なリフレクションによって、過去の失敗体験も叡智に変えられる。
・フラットな組織で力を発揮するチーム型リーダーの育成にも、リフレクションは役に立つ。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に2,100タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ