レビュー
2021年初頭、音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」が話題になったことは記憶にも新しい。そこではいろいろなテーマの「ルーム」でスピーカーの話に耳を傾け、ときにはユーザー自身が話し手として参加できる。
とはいえ、日本でも音や声の価値が見直される契機となり、そんななかで急激に注目を集めているのが音声プラットフォーム 「Voicy(ボイシー)」だ。著者の緒方憲太郎氏がボイシーを起業したのは2016年にさかのぼる。いち早く音声の可能性に着目し、2021年3月時点でボイシーは月間利用者数250万MAU(Monthly Active Users)を誇る。インフルエンサーや経営者などが発信者となり、有益な情報を無料で楽しめる人気サービスへと成長している。
ただ、そんな日本の市場も、世界的に見るとまだまだ発展途上だ。アメリカや中国ではポッドキャストやオーディオブックが広く利用されており、スマートスピーカーの普及率も高い。ボイステックはGAFAも注目する市場だ。日本はこの世界的な時流に乗れるかどうかのターニングポイントに立っている。もしトレンドをつかめれば、伸びしろがたっぷりとある分、日本経済にも大きなインパクトを与えるだろう。
本書ではそんな音声コンテンツの現在と未来がリアルに語られる。それらが現実化すれば、私たちの生活は一変することとなるだろう。
本書の要点
・ボイステックは、「画面に縛られた生活からの解放」を意味する。音声は情報を得るための究極形である。
・コロナ禍でリモートワーカーが増加し、ワイヤレスイヤホンが広く普及した。それにより「絶えず何かを聴く習慣」が広がった。また、2021年に上陸した「クラブハウス」により、音声に注目が一気に集まっている。
・音声は、動画やテキストより一人当たりの可処分時間が長く、「ながら聴き」ができるのが音声コンテンツの特徴だ。発信も容易なため、忙しい人にこそマッチする。
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