レビュー
2022年1月の第98回箱根駅伝は、青山学院大学陸上競技部が、10時間43分42秒の大会新記録を叩き出し、2年ぶり6度目の総合優勝を果たした。特に復路(第6区~第10区)では最初から最後まで1位で、メディアが「強すぎる」と取り上げていたことを思い出す。
本書は、そんな強豪・青学陸上競技部の監督である著者が、チームを常勝軍団として導くために伝えてきた47の言葉をまとめてある。監督としてあるべき姿を綴ったスポーツの本ではなく、組織づくりに携わる人間として成すべきことが語られたビジネス書だ。
著者が陸上選手として過ごす中で学んだことではなく、現役生活の引退後、中国電力の営業担当者として働く中で学んだビジネスノウハウを、青学陸上競技部という組織に生かすために行ったこと、それによって現れた変化などがエピソードとして記されている。
強い組織を作るためには何を心がけたらいいのか。どんな人を引き入れ、どのように育成すればいいのか。こうした課題は、あらゆる企業が抱えているだろう。実際に「人と組織」を強くしてきた著者のアドバイスが詰まった本書は、説得力のある解決策を示してくれる頼もしい存在となるはずだ。
本書の要点
・大会を連覇したり、常に上位を争ったりできるような勝ち続けるチームになるために、誰が監督になっても強い組織にする必要がある。そのためには、きちんとした育成システムを作り上げなければならない。
・「強さ」を持つ人材を採用するには、具体的な育成プランを提案するとともに、組織やチームのビジョンを伝えることが大切だ。
・業界内では常識外れな考え方でも、本質を外していなければ変える必要はない。貫き続ければ、支えてくれる仲間に出会える。
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