レビュー
「会議で議論に負けて、理不尽な仕事が自分に振られた」「競合コンペで言い負かされてしまった」など、社内や取引先の人々を納得させられなくて、悔しい思いをした人も多いだろう。私たちは仕事だけでなく、プライベートでも、この人を説得したいと感じる場面に少なからず遭遇する。
なぜ相手を説得できないのだろうか。それは論破力が不足しているからなのかもしれない。相手を納得させられるかどうかは、実は「話し方」いかんにかかっている。
本書は、匿名掲示板「2ちゃんねる」の創設者で、「論破王」の異名を持つひろゆき氏が、難しい相手でも論破できるワザを紹介した一冊である。本書には、相手を説得するための、「ちょっと斜めからのテクニック」が満載だ。「そこまではちょっとやれない」と感じるものもあるかもしれないが、うまく使えば説得力のある話し方を身に付けられるはずである。知っているのと知らないのとでは、ピンチの切り抜け方が大きく変わってくるワザもある。心の余裕を生んでくれるものもあるし、単純に人と話すことが楽しくなるためのマインドを説くものもある。
いくら説得しても相手が自分の思い通りにならない、相手が自分の意見に反対し続けるといったことで悩んだ経験がある方は、一読してみてはいかがだろうか。絶対に負けられない場面を控えている人は、事前に読んでおくと心構えができるかもしれない。「論破力」を身に付けて、自身の豊かなアイデアや意見をどんどん通していこう。
本書の要点
・論破力は諸刃の剣である。
・もっともらしく聞こえる意見よりも、事実の方が断然に強い。
・「好き・嫌い」にまつわる主観的な議論は不毛である。しかし、その好き・嫌いの理由を考えることは大切である。
・ジャッジという第三者がいない状況では議論しない。1対1の議論に持ち込まれると脇の甘さが露呈する。
・いろんな相手とのキャッチボールを重ねて、人の思考パターンをどんどん集めていく。そうしていくと、議論しやすくなるだけでなく、人と話すこと自体が楽しくなる。
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