レビュー
私たちは、日常的にさまざまな人間関係を築きながら生きている。学校・職場・家庭以外に所属するコミュニティを持っている人も少なくない。
人間関係に悩む時間とエネルギーを少しでも節約し、やりたいことに集中して本来の自分で生きるのが、本書の目指すところである。著者は、JAL国際線の客室乗務員として働きながら心理学を学び、現在はコミュニケーション心理学などに関するセミナー講師として活躍する山本千儀氏だ。
著者によると、人間関係が上手くいかないのは、相手と自分の違いがわからないからだという。そこで本書では、相手と自分の違いを理解し、尊重するメソッドを教えてくれる。人間の性格を3つの気質タイプに分類し、相手のタイプに合わせて対応することで、相手を理解し、受け止められるようになるのだ。このコミュニケーション術をマスターすれば、相手との違いはもはやストレスではなく、むしろよい刺激となるだろう。
現代社会では多様な生き方が求められ、一人ひとりが自分らしく生きる道を探求するのに忙しい。そんな中、人間関係の悩みにとらわれ、モヤモヤする時間は少ないほうがいいに違いない。本書には、人間関係の「悩み」を「気づき」に変えるためのヒントが詰まっている。活躍の場が広く、人間関係の悩みが多い人にぜひ、一読をおすすめしたい。
本書の要点
・人の性格は、生まれながらに持つ「気質」と、後天的な生育環境によって育まれる「人格」によって構成される。気質はまず大きく「理論型」「感覚型」「行動型」の3つに分類される。
・お互いの行動パターンや思考のクセを知れば、相手を理解し、受け止めやすくなる。
・理論型の部下は段取りや順序を重んじるため、事前に計画や進め方などを詳しく伝えておくのが望ましい。感覚型の部下には、寄り添う姿勢を見せると安心して動いてくれる。行動型の部下には、OJT形式を採用し、上司のやり方を真似てもらうのが効果的だ。
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