レビュー

人生100年時代では、定年が引き上げられ、終身雇用の崩壊が進んでいる。また、政府主導で「リスキリング」が推奨されるようになった。

読者の中には、自分のキャリアに漠然と不安を持ちながらも、毎日懸命にタスクをこなしているうちに気がつけば2、3年が過ぎていた――という方もいるのではないだろうか。
著者は、リクルート、Amazon、LINEを渡り歩いた人事のプロフェッショナルであり、現在は美大への進学という新たな挑戦をしている青田努氏だ。本書は、著者オリジナルのフレーム「5つの資」を使って、曖昧なキャリアというものを言語化し、整理してみようというものである。著者によれば、キャリアには年代に応じたフェーズがあり、その最終ゴールは「資産」を手に入れることだという。ここでの「資産」とは物心両面での豊かさや安心感など、仕事人生が終わった後にも残る価値である。
著者は、半年~1年に一度のキャリアの「健康診断」をすすめている。「5つの資」を活用すれば、これまでの自分の歩みや、手にしているものを整理すると同時に、これからの自分に何が必要で、そのために何をすべきなのかを、楽しみながら具体化できる。
めざすキャリアが先の見えにくい道であっても、地図があれば安心だ。納得感があり、充実したキャリアを育てるために、5つの資を活用していただきたい。

本書の要点

・キャリアとは曖昧で扱いづらいものである。「5つの資」というフレームを使ってキャリアを整理し、自分の現在地を確認しよう。
・5つの資とは「資格」「資源」「資質」「資本」「資産」である。

キャリアの最終ゴールは、人生を豊かにしてくれる資産を手に入れることだ。そのためにまず資格(キャリアへの挑戦権)を得て、資源と資質を活かして働き、資本(仕事上の武器や強み)を身につけよう。



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