レビュー

「あの人は、運がよくてうらやましい」と思うことは、よくあるのではないだろうか。「運」というものは、偶然手に入ったり生まれ持ったりするもので、「自ら得られるものではない」と考えられているからだ。


しかし、「運は100%自分次第」と訴えるのは、本書の著者である脳科学者の中野信子氏だ。本書では「運のいい人」を脳科学的に解き明かし、「運のいい人」になるための考え方や行動習慣を教えてくれる。本書を読むと、スピリチュアル的な印象もある「運をよくする方法」は、実は科学的な根拠があるということに驚かされる。
その一例が、要約でも紹介する「自分は運がいい」と思い込む方法だ。もちろん思い込んだところで現実が変わるわけではないが、中野氏は「脳科学的に運をよくする効果がある」という。「自分は運がいい」と思い込むことでネガティブな事象のとらえ方が変わり、対処の仕方が違ってくる。その結果、事象が好転する可能性が高くなるというのである。
「運のいい人」は自分の脳を自分で「運のいい脳」に変えていく。本書には、そんな「運のいい脳」に変えるためのノウハウが満載だ。決して難しいことではなく、意識を少し変えるだけでできるため、試さない手はないだろう。
「自分は運が悪い」と嘆いている人は、ぜひ本書を手にとってほしい。「運」の正体を知って小さな行動を積み重ねていけば、自然と「運のいい人」に変わっていくはずだ。

本書の要点

・「運」はだれにでも公平に降り注いでいる。運がいい人とはその運を多くキャッチしたり、不運を幸運に変えたりできる人である。
・「運がいい人」になるためには、自分を変えるのではなく、いまの自分を最大限に生かすことである。
・「自分は運がいい」と決め込むと、事象に対する考え方が変わる。そうすると対処に違いが生まれてくるため、結果的に運がよくなっていく。
・「運がいい人」とは他者を思いやれる人である。ひとり勝ちを避けて他者との共存を選ぶことが、長く生き延びる秘訣である。



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