レビュー
斬新なアイデア、クリエイティブな発想、革新的な技術――。こうしたものを生み出すには、どうすればいいのか。
「ジャムの実験」をご存知だろうか。店頭で24種類のジャムを並べるより6種類だけを並べたほうが、売上が10倍も伸びたという実験だ。「選択肢は多いほうがよい」という予想を打ち破る見解は、今ではすっかりマーケティングの常識になっている。この実験と著書『選択の科学』で名を轟かせたシーナ・アイエンガー氏は、その後10年もの歳月をかけて、「そもそも選択肢すらない場合に、どうすればいいか」という問題に迫った。その集大成が本書である。
Think Biggerとは「もっと大きく考える、大胆に発想する」を意味する。著者はこれを、イノベーションを起こすための確固とした手法として提示する。最新の神経科学や認知科学の知見と著者の実践が結晶化されていることが、Think Biggerの強みだ。
アメリカの名門コロンビア大学のビジネススクールで教壇に立つ著者は、学生が実際にThink Biggerの手法を使って専門家らを驚かすような斬新なアイデアを次々と生み出すのを目にしてきた。 「イノベーションには才能とひらめきが必要」という考えは時代遅れだ、と著者は断言する。創造性あふれる発想をするための理論と実践、それがThink Biggerだ。
本書の要点
・イノベーションとは、新しいアイデアを無から生み出すことではなく、「古いアイデアの新規かつ有用な組み合わせ」によって複雑な課題を解決する行為だ。
・Think Biggerは、イノベーションを起こすための、誰もが再現可能なメソッドである。
・Think Biggerは次の6つの段階を踏む。それは(1)課題を選ぶ、(2)課題を分解する、(3)望みを比較する、(4)箱の中と外を探す、(5)選択マップ、(6)第三の眼テストである。
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