レビュー

生きているかぎりストレスとまったく無縁でいることはできない。特に社会が複雑化した現代では、ストレスマネジメントは誰にとっても重要な課題だ。

しかし、ストレス解消の具体的な方法を教えてもらえる機会はほとんどない。それぞれ自分なりのストレス解消法をもっているはずだが、イライラしたときに「やりたくなること」や「ついやってしまうこと」は、本当にストレス解消になっているだろうか。実際、自分のストレス解消法が人にも勧められる方法なのかと聞かれれば、肯定しづらいことだろう。
本書が紹介するのは、人々が抱える悩みやストレスについて行われた数々の研究結果だ。著者の専門とする心理学の世界では、人々が毎日を生きやすくするための方法を調べるために数多くの実験が行われ、実践可能なスキルにまで落とし込まれたものも存在しているという。一般の人からはなかなかアクセスできないそういった情報を、本書はわかりやすく解説してくれる。単なる個人の経験則ではなく科学的に効果があると証明された方法だけが紹介されているので、納得して自分の生活に取り入れることができるだろう。ストレスのメカニズムについても解説されているので、一段深い理解を得たうえで、本書の手法を実践することができる。
紹介されている手法はどれも簡単に取り入れられる。要約を読みながらちょっと試してみることができるほど手軽な方法まである。まずは1つ試してみて、ストレスと向き合い始めるための一歩としてみてもらいたい。

本書の要点

・ストレスから逃げてばかりいては、耐性をつけることはできない。

弱い形のストレスを経験しておくことで、強いストレスにも耐性ができる。
・呼吸をしながら数を数えるブレス・カウンティングは、悩みを吹き飛ばすための簡単な手法だ。
・気分が落ち込んだときは、他のものに意識を向けたほうがいい。どんどん他のことを考えよう。
・ネガティブ思考に陥りやすい人は、自分に厳しいことが多い。自分を甘やかして、いつだって「自分はOK!」という思考をもてたほうが、小さなことに落ち込まなくなる。



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