レビュー
忙しい中でせっかく勉強するなら、時間をムダにしたくない。そこで「どんな勉強法がいいんだろう?」「学生時代の勉強法をアップデートしなければ」と考えてさまざま調べてみるものの「どれが正しいのかわからない、もう嫌だ」と放り出す。
本書の著者、安川康介氏はアメリカで活躍する医師だ。慶應義塾大学医学部で学び、実習しながら日本とアメリカ、2つの国家試験の勉強を同時並行で行った。日本語と英語、それぞれ数千ページある教科書を読み、数千問ある問題集を解く超多忙な日々だったが、アメリカの医師国家試験には上位1%以内という成績で合格したという。渡米したのちも、医療の最前線で活躍しながら、家事育児の大部分を担いつつ、数々の試験に上位1%~10%で合格している。医学的な情報を中心に発信するYouTuberとしても活動中だ。
本書では、著者自身の経験・勉強法と数々の研究データをバランスよく織り交ぜつつ、「科学的に効果が高い勉強法」がまとめられている。あわせて「科学的に効果が高くない勉強法」も提示されているが、どれも多くの人たちが「効果がある」と信じてきたであろうものばかりで、衝撃的だ。
人生は短い。貴重な時間をムダにすることなく、これからの人生のために勉強したい人は、まず本書を読んでみてはどうだろう。「科学的に効果が高い勉強法」を知っているかどうかで、勉強やリスキリングの効率は大きく変わってくるはずだ。
本書の要点
・ただ繰り返し読む、書き写す・まとめる、ハイライトするといった従来の勉強法は比較的効果が低い。
・アクティブリコールと分散学習を組み合わせた学習法が、現代の学習の科学的根拠に基づく、誰でも実践可能で効果の高い方法だ。
・似ているけれども異なった複数のスキルや勉強のトピックを交互に学習する「インターリービング」や「なぜ?」と問いかける精緻的質問などは科学的に効果が高い勉強法だ。
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