レビュー
誰しも、よかれと思って人に何かをしてあげたのに、その優しさを当たり前のように受け止められたり、拒否されたりした経験があるだろう。そんなときには、釈然としない気持ちや「優しくして損した」という感情を抱いたりしてしまうかもしれない。
本書では、読者の心に寄り添う数々の自己啓発書を世に送り出してきた現役精神科医の著者、和田秀樹氏が、あたたかな言葉で、人に優しくすることの効用や具体的な方法を教えてくれる。書名にあるとおり、優しい人の「人生がうまくいく」理由について語られるパートも必読だ。
さらには、誰かに優しくしたいなら、自分自身に対しても優しく接することが重要であるとも指摘されている。自分に優しくし、自分を愛してあげられないと、誰かに優しくする余裕など生まれないからだ。
「優しすぎて疲れてしまう」「自分のことに精一杯で他人に優しくできない」「誰かに優しくしたのに思うような反応が得られないと傷ついてしまう」――そんな葛藤や生きづらさを抱えている方に、本書をおすすめしたい。読み終えると、カウンセリングを受けた後のように心がすっと軽くなるだろう。明日は少しだけ自分に、そして他人に優しくしてみよう、そんな気持ちにさせられる一冊だ。
本書の要点
・人間には、相手から優しくされたり親切にされたりすると、それに「お返しをしたい」と感じる心理がある。周囲に優しく接している人にいいことが起きるのは、当然の結果だ。
・自分を認めてくれる人に囲まれて生活していれば、人は自然に自己愛に満たされて、優しくなれる。いい人生を送るためにも、自分を褒めたり認めたりしてくれる人とつき合おう。
・健康維持のために過度に好物を控えると、ストレスが溜まる。健やかな心を維持し、優しい人でいるために、ささやかな幸せを適度に楽しもう。
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