レビュー

著者はかつて、個別株投資に振り回されて仕事に集中できなくなり、手間のかからない投資方法を模索したという。そこで出会ったのが、本書のメインテーマであるインデックス投資だ。

そこから予測不能な大事件や大災害が数多く発生し、市場は暴落の憂き目に遭った。インデックス投資を行う人たちも例外なく、多くの投資家が市場から脱落していったという。その中で著者は踏みとどまり、資産を増やすことに成功している。
本来であれば「寝かせて」おけばいいインデックス投資で、なぜ不慮の事態に投資家が動いてしまうのか。著者は、その違いが「楽天家かどうか」にあると書く。
とはいえ、人は楽天家にそうなれるものではない――そう感じる読者諸氏も多いだろう。楽天家というのはこの場合、能天気な人を指しているのではない。知るべきことをしっかりと知り、不必要におそれることのない人も、傍から見れば楽天家に見えるものだ。その意味で、本書は誰もが楽天家になれるための1冊といえるかもしれない。インデックス投資を辛抱強く進めるためのいくつもの本質的なポイントが解説されているからだ。
投資すべきインデックスファンドや使うべき金融機関といった基本から、より実践的なテーマであるNISAやiDeCoとの向き合い方もカバーしている。投資の入門書として使うのもよし。
すでに長期投資をしている人が、自分の指針を見つめ直すための書籍にしてもよし。いかようにも使い道がある、誰もが座右における一冊になっている。

本書の要点

・インデックス投資には、「手間がかからない」「世界標準の投資法」「お金の基礎知識として役立つ」という3つのポイントがある。
・投資信託のインデックスファンドには、「少額から購入できる」「分散投資できる」「運用に携わる金融機関が破たんしても資金が守られる」という3つのメリットがある。
・最大損失がリスク許容度のレンジに収まるように運用すれば、安心して資産を寝かせておける。
・NISAとiDeCoを併用して、自分の投資方法に活かしていこう。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ