レビュー

「ウェブサービスを始めようとしているエンジニアや経営者の方が、利用規約を中心とした法的なポイントを1冊でひととおりつかめ、そして自分自身で利用規約が作れる本にしたい」――というのが本書のねらいだ。
ウェブを介したスモールビジネスを始める個人が増えている昨今、避けては通れない利用規約やプライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表示などについて、概要をわかりやすく説明し、詳細なひな形まで掲載している。


著者は、ITベンチャーに社内弁護士として参画した経験を持ち、ベンチャー・スタートアップ法務のプロフェッショナルである雨宮弁護士と、株式会社KADOKAWA法務部の片岡氏、弁護士ドットコム株式会社の新規事業企画担当で企業法務に明るい橋詰氏の3名である。企業法務の中でもスタートアップやベンチャーに特に見識の深い3名による本書は、実務経験を踏まえた、かゆいところに手が届く内容になっている。
新規事業の立ち上げを考えている方、現在行っている事業の利用規約等を見直したい方、サービスを構築する立場のエンジニアの方は、一読されることを強くおすすめする。自分の身を守る観点で、1ユーザーとして知っておきたい情報も満載だ。初版から11年が経ち、改訂第3版が発売されて最新の法改正を反映した内容になっている。この本は、ユーザーが“読みにくい”と感じることの多い利用規約に関するものであるだけに、非常にわかりやすく読み進めやすい一冊となっている。

本書の要点

・ユーザーとトラブルになった際の話し合いにおいて基準となるものが利用規約である。ユーザーの共感と納得を得られるものを目指そう。
・プライバシーポリシーとは、「個人情報」および「パーソナルデータ」の取扱い方針を定めた文書である。法令上の義務に対応する役割と、データの取扱い方針をユーザーに説明する役割がある。
・販売ページが広告機能も有することとなるウェブサービスは、特定商取引法の規制を受ける。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。

既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ