レビュー

仕事ができる人は、みな「数学的」だという。たしかに、「数字に強いロジカルパーソン」と聞けば、多くの人が憧れる姿ではないだろうか。


本書はビジネス数学教育家の深沢真太郎氏が、これまで『数学的思考トレーニング』や『数学的に考える力をつける本』など、数多くの著作で伝えてきた内容の集大成といえる。通読すると、数学的に考える思考法を体系的に学べるだけでなく、業務で成果を上げるための要所が掴めるだろう。
本書のユニークな点は、数学を「ビジネスの能力開発」という側面で捉えている点だ。数学的に考えたことをいかに「動作」と「行為」へと落とし込むか。読み手が実践しやすいよう指南してくれる。随所にエクササイズが設けられていて、読み手が各章での学びを自分ごとに考えられるような仕掛けになっているのだ。よって数学的な思考を仕事に応用するイメージが湧きやすい。また、深沢氏の文章は非常に読みやすいことで有名である。その本質は、本書でいう「定義」と「構造化」にあるのだろう。
「論理的に考えることが苦手」「説明してもポイントが相手に伝わらない」「魅力的なプレゼンができない」。こうした悩みを持つ方に、すぐさま本書をすすめたい。数学が苦手でも「数学的に考える」ことはできる。
このスキルはビジネスを力強く前進させるための武器になるはずだ。

本書の要点

・数学的なビジネススキルとは、「数字と論理を用いて動作をし、行為に落とし込む」ことを指す。
・数字とは「コトバ」であり、論理とは「数学コトバを用いて文をつなげる」ことだ。
・本書での動作は「定義」「分解」「比較」「構造化」「モデル化」の5つから構成される。
・また、行為とは「考える」「読む」「書く」「話す」「見せる」の5つを指す。
・数学的なビジネススキルを身につければ、数字に強いロジカルパーソンになり、仕事でますます成果を出せるようになる。



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