レビュー

「あかるく・たのしく・すこやかに」といった標語を学校などでよく見かける。小学校に入ると、たくさんのクラスメートがいる。

そんな場で次第に「自分はおとなしい性格なんだ」と気づかされる。
自分なりにあかるく、たのしく過ごしているつもりでも、周りからはそう見られない。そうして会話に抵抗感をもつようになると、ますます口を閉じてしまう。しまいには元気がなさそうとまで思われ、自分もそういう性格だと感じはじめる。
内向的な性格は、「日陰もの」だ。自分のことを人見知りだと思っている人は多い。控えめな性格をよしとする日本の風土も影響しているのだろう。
そうした社会で、卑下するかたちで内向的だからと考えている人は、ぜひ本書をお読みいただきたい。内向的な人は人見知りとイコールではない。一人での仕事を好む内向型はリーダーシップへの苦手意識を強くもちがちだが、とあるしくみを使えばうまくいく。
「おとなしい性格」は成功への近道である場合もある。それを知れば、嫌いだった自分の性格を見直せるはずだ。
おとなしい人たちが自分に自信をもち、その性格を活かしていけば、マイナス思考に陥りがちな部分をシフトさせながら、人生を切り拓いていくことができる。
「おとなしさ」が小学校の標語として採用されることはないだろうが、おとなしさはけっして悪いものではない。

本書の要点

・性格とは、ある状況で何度も繰り返される思考パターンを指す。
・人見知りとは、内向性が高いだけでなく、神経症傾向と協調性も高いことをいう。対人関係の悩みを生み出すのは内向性ではなく、神経症傾向のほうだ。
・内気な人は弱い、静かな人は意見がない、おとなしい人は仕事ができないというのは内向型にまつわる非常識だ。
・新しい体験を通して一度学習した性格をリセットする「消去学習」には、「人を変える」「環境を変える」「行動をシフトする」という3つの方法がある。



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