レビュー
相手に伝えたつもりなのに、うまく伝わっていないことがある。「どこかにズレがあったのだろうか?」「何か言い忘れているのかも」と、さまざまな思いが頭をよぎる。
そんな「伝わらないモヤモヤ」を抱えているビジネスパーソンにおすすめしたいのが、本書『伝え方図鑑』である。あらゆる「伝え方」の構造を「型」で示し、それに当てはめるだけで「伝わる」コミュニケーションができるという、嬉しい一冊だ。
本書では73の「伝え方の型」が、見開きごとに紹介されている。シンプルな図解とメリハリの効いたレイアウトで、パッと見ただけで理解できる「図鑑」スタイルである。また、その型を使いやすいシーンや例文、使うときの手順とチェックポイントなども記載されており、実用性も抜群だ。
著者は、博報堂ケトルでコピーライターとして活躍する井手やすたか氏だ。著者によると「言いたいことが伝わらない」裏には、構造的な問題があるという。人は伝えようとするとき、「何を」伝えるかを意識しがちだが、相手にちゃんと「伝わる」ためには、「どう」伝えるかのほうが重要だ。本書では「どう伝えるか=伝え方」を目的別に整理して、いつでも誰でも使える「型」にして公開している。
プレゼンが苦手、上司から「何を伝えたいのかわからない」と言われる、会議で発言が回ってくるのが怖い……など、「伝えること」に何らかの不安や苦手意識のある人にとって、本書は心強い存在となるだろう。
本書の要点
・「伝える」を「伝わる」に変えるには、「相手の視点になれるかどうか」がポイントだ。
・相手が明確な答えを求めているときは、結論から話す「結論から」の型が有効だ。
・本来のお願いの前に、イマイチな選択肢を提示すると相手の「Yes」を引き出しやすい。
・商談などで良い関係をつくりたいなら、本題に入る前に、相手の興味のある話題を振るといい。
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