レビュー

誰にでも不安なく引き継げる仕事の任せ方、いちいち言わなくても勝手にメンバーが動く仕組みのつくり方、あなたがいなくても仕事がまわるチームのまとめ方……本書の章タイトルの抜粋だ。どれもプレイングマネジャーが知りたいテーマではないだろうか。


本書の著者、伊庭正康氏は、『できるリーダーは、「これ」しかやらない』『できる営業は、「これ」しかやらない』などのベストセラーでも知られる起業家だ。研修会社の代表として、年間200回を超える研修や講演を行っている。
本書はそんな伊庭氏の人気研修をもとに制作された。その研修は、自身がリクルート在籍時に「自分がいなくてもメンバーが勝手に動く最高のチーム」をつくったときのノウハウを凝縮したものだ。本書刊行時点で1万2000人を超えるプレイングマネジャーが受講しており、リピート率はなんと95%だという。受講者からは「仕事が劇的にラクになった」「チーム全体で成果を上げられるようになった」といった反響があったそうだ。
会議の資料作成一つとっても、部下に細かく指示だしをする必要がある。部下が頼りにならず、自分であらゆる仕事を巻き取った結果、連日残業でへとへと。自分が席にいないとチーム全体の仕事がストップしてしまう……。そんな悩みを抱えたすべてのプレイングマネジャーに、ぜひ本書を読んでもらいたい。

本書の要点

・マネジャーの完璧主義は部下の成長を止めてしまう。細かい指示出しはやめ、Must条件とWant条件を明確に示すだけにして、あとは部下に任せよう。


・各メンバーの仕事のバラつきをなくしたいなら、品質の基準を3つのレベルで定義するとよい。決めたものをガイドラインにしたり、セルフチェック表をつくったり、ミーティングで実践度合いを振り返ったりと、形骸化を防ぐ工夫も重要だ。
・自分がいなくても勝手に動くチームを築くためには、参謀役が必要だ。適任者がいなければ、参謀役としての自覚を持たせる、つねに問題の目線合わせをする、課題設定力を鍛える、対策を考える際の基準を設定する、PDCAをまわすよう指導する、の5つを実践して育てていく。



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