レビュー
「とても信じられない」というのが、タイトルを見たときの感想だ。
要約者は「いわゆる文系」「計算が苦手」「数学の成績が悪かった」「数字を前にすると思考停止する」という、本書の中に登場する「数字が苦手(と思っている人)」の条件をすべて満たしている自覚がある。
そもそも「数字に強い」とはどういうことか。著者によれば、「数字センス」とは「数字を言葉として扱う感覚」なのだという。数字を、「コミュニケーションや思考に使う言語として扱う」という感覚が、「数字センス」なのだそうだ。また、「数字センス」は感覚であるため、環境づくりによって、いつからでも身につけることができるのだと著者は語る。ポイントは、1分間のスキマ時間に「イイ気分」で遊ぶこと。これを継続的に行うことで、楽しみながら「数字センス」が磨かれていくとのことだ。
はじめは「そんなこと言ったって……」という気持ちが膨れ上がってきそうになるが、じっくりと読み進めるにしたがって、徐々に「これなら自分にもできるかもしれない」と思えてくる。「なんとなくイヤなもの」だった数字が意味のわかるものになっていき、計算によって何をしているのかがわかってくると、不思議と数字への苦手意識がしぼんでいく。まだ胸を張って「数字が得意です!」と宣言できるほどではないが、数字との距離は目に見えて縮まった。
「数字が苦手」な同志は、騙されたと思って読んでみてほしい。
本書の要点
・「自分は数字が苦手なタイプ」というのは思い込みに過ぎない。数字を見ることで数字にまつわる不快な記憶がよみがえっているだけで、数字そのものが不快なのではない。
・「数字センス」とは感覚である。感覚は環境によって培われるものであるため、環境づくりによって「数字センス」はいつからでも身につけることができる。
・「数字センス」を身につけるには、1分間のスキマ時間を使って、数字で遊ぶことだ。遊びを通じて数字に触れる時間を継続的に持つことで、「数字センス」が磨かれる。
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