レビュー
「ひとり温泉旅」と聞いてすぐに思い浮かんだのは「そんなの無理」ということだった。仕事は忙しいし、子どもは小さい。
本書は、全国3600もの湯を巡った温泉ジャーナリストの著者が、ハードルが高いと思われがちな「ひとり温泉旅」の魅力を余すところなく伝える一冊だ。温泉の基礎知識から宿選び、現地での過ごし方やオススメ温泉地まで、幅広く網羅されている。
本書を読むと、その時々の自分の希望や状況に合った温泉を見つけやすくなる。「ひとり旅は難しい」「勇気がない」という人もいるかもしれない。ただ、万難を排してでも「ひとり」で旅をする意味、わざわざ足を運ぶ価値のある名湯が数多く存在することを、本書は教えてくれる。
「温泉は、五感で楽しむレクリエーション」と著者は言う。本書からは、お金や時間をかけることとは別の意味の「贅沢」が浮かぶ。つまり心身をフルに使って、湯や食、景観やもてなしといった日本の資源を味わい尽くす、デジタルやAIでは代替できない「贅沢」だ。
本書には、温泉にまつわる多彩な知識や専門家による解説、そして充実した温泉旅にするための実用的な情報が詰まっている。要約者が通読して感じたのは、日本の自然の魅力と、「ひとり」で自分に向き合うことの大切さだった。
本書の要点
・ひとり温泉旅の魅力は「自由」である。自由気ままに温泉に浸かり、地元の食や風景を堪能する。忙しい現代人にぴったりの贅沢だ。
・「ひとり温泉旅」デビューには、にぎやかな有名温泉地より、ひとり向けプランのある田舎の小さな温泉宿がオススメだ。
・温かい温泉と冷たい温泉を交互に入る「温冷交互浴」を試してみよう。温冷刺激により血液の循環が促進され、疲労回復やリラックス効果が期待できる。
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