レビュー

「仕事の速い人」と「仕事が遅い人」の間に大きな違いはない。そう断言するのは、会社員として働きながら税理士と気象予報士といった難関資格を取得し、独立を果たした山本憲明氏だ。

こんな経歴を聞くと、さぞ優秀な人だったのだろうと思ってしまうが、意外にも会社員時代の著者は、仕事に興味が持てず、出世もあきらめ、「早く辞めたい」と思う日々を過ごしていたという。そこで、独立するために資格を取ろうと考えたことが、著者の「仕事が速い人」になるための試行錯誤のはじまりだった。
『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』はそうして編み出された50の仕事術が紹介される一冊だ。「自分のための時間を生み出す」ことからスタートした仕事術であるからこそ、実践のモチベーションを持ちやすい。はじまりは仕事外の時間を充実させたいという目的であったとしても、仕事の仕方が変われば仕事の成果もあがりやすくなるはずだ。結果的に、仕事の時間の充実にもつながっていくかもしれない。
趣味の時間をたくさん持ちたい人や資格試験の勉強をする時間が欲しい人だけでなく、今の仕事に行き詰まりを感じている人にも、本書のメソッドをおすすめしたい。ダラダラと仕事を続ける日々から抜け出し、自分の納得のいく時間の使い方に一歩近づけるだろうと期待の持てる一冊だ。

本書の要点

・仕事が速い人は、整理整頓された環境で仕事をすることの大切さを知っている。仕事道具にもこだわり、効率を上げるための投資を惜しまない。
・仕事が速い人は、意外にもすぐには仕事に取りかからない。事前の準備を整えて、段取りをすることで、無駄なく進めることができ、結果的に仕事を速く終えることができる。


・仕事が速い人は、力の抜きどころを知っている。すべての仕事に同じように全力を注ぐのではなく、重要性を判断し、それに応じた濃淡をつけて仕事をするべきだ。



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