レビュー
1on1とは、単なる上司と部下の定期面談ではなく、成長を促すための対話の場である――本書『増補改訂版 ヤフーの1on1』は、ヤフーが10年以上にわたり実践してきた1 on1 の知見を体系的に整理した一冊だ。
ビジネスではよく知られている本ではあるが、あらためて読み直してみて、そのわかりやすさに驚かされた。
さらに、「増補改訂版」の名にふさわしく、大幅に加筆されているのもポイントである。すでに前作の解説は数多く存在するが、この改訂版では1on1の進化や、より効果的な実践に向けたアプローチが掘り下げられている。たとえば、導入時の課題や組織文化との相性といった視点が強化されており、1on1を単なる施策ではなく、組織の成長戦略の一環として捉えることの重要性をあらためて感じさせられる。
1on1の導入を考えている人はもちろん、すでに実施しているが課題を感じている人にとっても、対話を通じた組織や個人の成長に焦点を当てた実践的な内容が詰まっている。1on1を「やるべき業務」ではなく、「組織の力を引き出す武器」として活用したいなら、本書は必読の一冊である。
本書の要点
・1on1は、特定の目的を定めずに実施することが推奨される。1つの目的に限定すると、可能性を狭めてしまうためだ。
・1on1は(1)機会をつくる、(2)「傾聴」し次の行動を決める、(3)部下の行動を「観察」してフィードバックするという3つのステップを基本とする。
・1on1を継続することで、対話の習慣が根づき、上長と部下の関係性がより深まる。
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