レビュー
時間通りに仕事が終わらないのは、自分のがんばりが足りないからだ――。そう考えている人にこそ、本書を手に取ってほしい。
本書は、2018年に出版されたロングセラー『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』の増補改訂版である。AI時代に即した内容を加え、「決定版」としてリニューアルされた。
著者によれば、「時間通りに仕事が終わらないのは、やり方がズレているから」だという。やるべきことは増えているのに、残業規制によって長時間働くことも難しくなっている。それでも「がんばれば、なんとかなる」と、従来と同じ方法を続けていては成果が出ないのも当然である。
さらに、最近では生成AIを業務に活用する動きも活発になってきた。効率的に仕事を進めるためには、最新技術を取り入れることが不可欠であり、仕事の進め方や考え方も時代に応じてアップデートしていく必要がある。
とはいえ、本書の根底にある主張は変わらない。「やらないことを決め、いかに時間を大切にするか」が鍵である。目の前のタスクにすぐ取りかかるのではなく、自分がやるべきこと、やらなくてよいことを仕分けること。それこそが「仕事の段取り」の基本である。
根性論ではなく、仕組みによって効率化を図る。
本書の要点
・仕事のスケジュール管理は、作業やタスクの仕分けからはじめる。やらないことを決めてやるべき仕事に集中すると、短期間で成果を出すことができる。
・仕事の優先順位を決める際には、所要時間や関係者の動きを踏まえ、デッドラインから逆算して決めるとよい。
・1日に使える時間には限りがある。すべての依頼に応じるのではなく、「イエス」または「ノー」の理由を考えてから返答する習慣を持ちたい。
・目標を設定する際には、ゴールを具体化する手法「スマートゴール」が有効だ。
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