レビュー

分譲か、賃貸か。戸建てか、マンションか。

都会か、郊外か。まるで永遠に答えの出ない難問のように語られている、これらの選択肢。それぞれのライフステージのなかで、多くの人は一度くらい意識したことがあるはずだ。
本書は、2030年という近未来を想定して、この「難問」に対する実際について、懇切丁寧に解説してくれる。著者は、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社を設立した人物であり、その目線と姿勢は折り紙つきである。
本書でも指摘されているとおり、世界ではアジア圏の勢いが増している。そのなかで日本はシュリンクしていくばかりの国とみなされがちだが、治安はよく、インフラの整備状況、街の清潔さを考慮すると、「住むなら日本が一番だ」と再評価する声はむしろ高まっていくという。外国からの投資が増え、都心部を中心に地価は高騰し、庶民の選択肢はますます狭まるように感じてしまう。それでも著者は、「日本の未来は明るい」と述べる。
2030年は、本書が刊行された2025年現在からするとたった5年後だが、環境は大きく変わっているだろう。それにあわせて当然、不動産の“常識”は変わる。その中身を知っているかどうかで、あなたの未来も変わる。

住まいは誰にも関係のあるテーマだ。どのような状況で生きていくにせよ、自らのQOLを向上させる選択をしたい。そのために、本書で得られる知識は大きな武器となってくれるに違いない。

本書の要点

・2030年あたりには、景気動向、人口の増減、海外からの移住、投資家の動きといった不動産を取り巻く環境も大きく変化するはずだ。
・2030年には不動産市場の「三極化」が進む。「上がる地域」「下がる地域」「限りなく無価値、あるいはマイナスの地域」の3つだ。
・2030年に都市部でマイホームを買おうとしたら、「第一候補は中古マンションになっている」だろう。その際、「管理に問題のあるマンション」を選ばないようにしよう。



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