レビュー
出社回帰か、ハイブリッドワークか。コロナ後の働き方に揺れる今、「リモートマネジメント」の本質に迫る本がある。
もともと出社前提の職種に就く方々に感謝したうえで、要約者は、様々な業界のマネジメント層からこんな声を聞いてきた――「リモートワークだとマネジメントが難しい」と。
たしかにリモートワークは、メンバーに高い自律性を求める。その分、自律性を引き出す仕組みを構築できたとしたら、通勤時間短縮、働きがいの向上といった効果が期待できる。地方在住者、育児・介護などを抱える人々の能力発揮の機会をつくるうえでも、重要な選択肢の1つとなっている。
一方で、その実現には課題も伴う。リモートワークを取り入れながら、組織として成果を生み出し続けるマネジメントとは何だろうか? そのヒントを、理論と実践の両面から体系的に提示してくれるのが本書だ。
著者は、リクルートマネジメントソリューションズで多くの企業のリモートワーク導入を支援してきた。リモートでの「自由」と「責任」のバランスを保つための工夫を、豊富な事例とともに解説してくれる。印象的なのは、3つの「こ」――「個として立つ」「心の距離が近い」「ここがいい」の意図的な支援がいかに重要かという点だ。これらを実現するための10のポイントは、実践的なアクションに落とし込まれている。
本書に通底しているのは、「マネジャーに心身健やかに過ごしてほしい」という著者の願いだ。理想論ではなく、現場から生まれた「等身大のヒント」が詰まった一冊を、マネジメントに悩むすべての方におすすめしたい。
本書の要点
・リモートワークがもたらす「自由」と「責任」を理解し、メンバーの自律性を支援することが重要である。
・メンバーの「個として立つ」「心の距離が近い」「ここがいい」という3つの「こ」を意図的に支援することで、効果的なリモートマネジメントが実現できる。
・リモートマネジメントの10のポイントを実践することが、メンバーの自律性と組織の一体感を高めてくれる。
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