レビュー
物価の高騰、年金、保険やローンなど、私たちの身の回りは「お金」の話題であふれている。しかし、多くの人がそのしくみや制度を十分に理解していないのが実情だ。
本書は、FP(ファイナンシャルプランナー)1級を取得して話題となったお笑い芸人のサバンナ 八木真澄氏が、貯蓄から投資、保険、相続、節約術まで、知っておくべき「お金の知識」を100項目にまとめた一冊だ。各項目の後半では、YouTubeにてFP試験の解説チャンネルを運営する「ほんださん」こと本多遼太朗氏による補足解説が添えられている。
興味深いのは、八木氏と本多氏の見解が異なる項目もある点だ。例えば、持ち家を推奨する八木氏に対し、本多氏は「賃貸にして出費を抑え、金融資産を増やすのも手だ」と説く。つまり、立場や状況によって最適な判断は異なるということだ。
本書に収められた100のコツは、まるで八木氏のギャグのように、ユニークな切り口でのお金の知識を端的に伝えている。すぐに実践する機会はなくとも、知っておくだけで将来必ず役に立つ知識となるだろう。
八木氏は「お金のことは自分で学ばなければ不利になることが多い」と述べている。ならば本書を「お金を学ぶ手段」として、活用してはいかがだろうか。
本書の要点
・FP3級は「知らないとヤバい、資格を取得せずとも勉強しておくべき」内容が学べる資格である。
・インフレによるお金の価値の目減りを防ぐため、少額からでも資産運用を始めたほうがいい。
・日本の公的支援制度で必ず覚えておきたいのは「失業手当」「再就職手当」「ひとり親向けの支援制度」「遺族基礎年金」の4つだ。
・会社員も確定申告をしないと損することがある。医療費控除や住宅ローン控除、地震や火事などによる雑損控除は、年末調整では手続きできない。
フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。