レビュー

英語が苦手だと感じている人は、ビジネスパーソンの中にも多かろう。しかしそんな人でも、誰もが漏れなくとてつもない偉業を成し遂げているはずである。

それは母語の獲得だ。この文章は日本語で書かれているため、読んでいる人の大多数は日本語の母語話者だろうと想定している。そうでないのなら、第二言語としての日本語を高いレベルで習得した素晴らしい学習者であろう。我々は日本語を――あるいは母語を、特に意識することなくスラスラと日常会話ができるレベルに身につける。なぜ同じように英語――第二言語を習得することは難しいのだろう? どのようにすれば母語と同じように第二言語を習得できるのだろうか?
こうした疑問に答えようとしてきた学問が、第二言語習得論と呼ばれる分野である。英語ができるようになりたいと願いながらたくさん英語を学習している人でも、どのような英語の習得方法が科学的に効率的とされているのかは意識していないことが多い。科学的に正しい学習法とは、何か難しいプロセスを踏まなければならないのだろうかと、身がまえてしまった人は安心してほしい。本書が勧めるメソッドのひとつは「理解できるかんたんなものを、たくさん反復する」ことだからだ。メカニズムを学び、正しいプロセスをたどることができれば、難しいものに挑みすぎて無用な挫折をすることもなくなるだろう。もしかしたらあなたが苦手なのは、英語そのものではなく、英語の習得方法なのかもしれない。

本書の要点

・英語の正しい学び方とは、英語を英語のまま捉え、自分の中に蓄積されたルールである「じぶん英語」をアップデートしていくことである。
・そのためには目標を立てて英語を自分ごと化し、たくさん間違えながら、スラスラと出てくるまで練習することが重要だ。


・インプットだけでなく、アウトプットも行うことで相互作用が起こり「じぶん英語」は飛躍的に成長していく。



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