レビュー

「自己肯定感を高めれば、どんな習慣も身につく」――本書で、著者はそう断言する。
著者の中島輝氏は、自己肯定感の第一人者として知られる心理カウンセラーだ。

これまでにJリーガーや上場企業の経営者など、1万5000名以上を支援してきた実績があり、予約は常に6カ月待ち。企業研修や講演も多数手がけ、自己肯定感の大切さを広く伝えてきた。
私たちは、新しい習慣を始めるとき、つい意志の力に頼ろうとしてしまう。モチベーションを上げて、気合で乗り切ろうとする人も多いだろう。だが著者は、意志や根性だけで「つらい」「苦しい」行動を続けるのは困難であると語り、そんなときこそ自分を受け入れる「自己肯定感」が必要だという。習慣化を支えてくれるのは、意志の力ではなく自己肯定感なのだ。
本書では、習慣が定着するまでのプロセスを「種まき期」「反発期」「忍耐期」「成長期」「開花期」「達成期」という6つのステップに分け、それぞれに必要な自己肯定感の要素を「6つの感」(自尊感情・自己受容感・自己効力感・自己信頼感・自己決定感・自己有用感)として丁寧に紹介している。たとえば、途中で「なんか面倒くさいな」「今日は忙しいから後回しにしよう」と気持ちがゆらぐ反発期には、そんな自分を責めずに受け入れる「自己受容感」がカギになる。
何度も習慣化に失敗し、自信を失っている人に、本書を手に取ってほしい。これまでと違う視点で、次の一歩が踏み出せるはずだ。

本書の要点

・新たな習慣を身につけ、定着させるまでには、6つのステップを踏む必要がある。この6ステップは、自己肯定感を構成する「6つの感」(自尊感情・自己受容感・自己効力感・自己信頼感・自己決定感・自己有用感)と密接に関係している。


・ステップ1の「習慣の種まき期」には「自尊感情」が欠かせない。習慣化のいい種をまくためには、自分自身を冷静に見つめる視点と、そっと背中を押すような優しさが必要だからだ。
・ステップ2の「習慣の反発期」に必要なのは「自己受容感」だ。新習慣への取り組みが一度挫折してしまったときにも、自己受容感が満たされていれば、再び前を向くことができる。



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